Sistah Robi (1995, Kanai’a Records)

ハワイの人気実力ともにトップクラスの女性シンガー、シスター・ロビことロビ・カハカラウ。
シスターはロコ的には”Sistah”で、ブラザーは”Bruddah”。必ずしも血縁がある必要はない。
大阪芸人の言う「にぃさん」「ねぇさん」のニュアンスに近いかもしれない。つまり、ロビねぇさんw

ちなみに、親しい(例えば近所の)おじさんは「アンクル」、おばさんは「アンティー」と呼ばれたりもする。

本作はナ・ホク・アウォーズの2部門を受賞した1995年のソロ・デビュー作”Sistah Robi”

ロビは、父の出身地ドイツでハワイ人女性との間に生まれ、3世代に渡ってミュージシャンという音楽一家で育った。後に、母はメインランドでハワイアンを演奏し、ボストンでウクレレとスチール・ギターを教え、父は世界的に評価のあるジャズ・ベーシストだったという。

ハワイに移り住んでからも、トラディショナルなハワイアンのみを演奏するわけではなく、彼女の他文化、英語、フランス語、ハワイ語、タヒチ語の多言語を流暢に使い分けられるバックグラウンドを活かしつつ、伝統を隠し味にしつつ、ロック、フォーク、ソウル、レゲエ、ジャズ、R&Bといった、さまざまなエッセンスをミックスし、コンテンポラリーなサウンドに昇華させ、ロビならではのハワイアン・ポップスを作り上げた。

そんな彼女の才能は、ハワイアン・スタイル・バンドの最初の2枚のアルバム、1992年の「バニシング・トレジャーズ」と1994年の「リズム・オブ・ジ・オーシャン」の最も重要な部分を占めていた。

このアルバムには、ハワイアン・スタイル・バンド時代からの友人たち、ブライアン・ケスラー、ウェイド・カンバーンはもちろん、トロイ・フェルナンデス、アーニー・クルーズJr.、フィジー、ショーン・ナアウアオ、ローランド・カジメロといった豪華なゲストたちも参加している。

自分たちの作品に数多くのローカルミュージシャンたちを参加させ、露出を増やし、少しでもローカルミュージックシーンに貢献したいという、ハワイアン・スタイル・バンド時代からの変わらぬ姿勢はこの後も貫かれる。