Mālama Ko Aloha(Keep Your Love) (2002, Ohe Records)

「アロハという概念はハワイから世界への最大の贈り物です。しかし、多くの人たちは、それがなんなのか?どこで見つけられるのか?自問し、自分自身の心の中でさえ、それを見つけられないでいます。」 伝説的なハワイの作曲家でスラック・キー・ギターの名手、Keola Beamerはそう語り、さまざまなバックグラウンドを持つミュージシャンが互いにアイデアを学び、取り入れながら、自分の文化的遺産に忠実であり続けることができるという彼の信念に基づいて今回の実験的なプロジェクトを立ち上げた。そして、このプロジェクトは、かつて、HAPAのスタジオライヴも実現させていた放送局PBSハワイの企画”Keola Beamer:Mālama Ko Aloha(Keep Your Love)”という番組にインスパイヤーされる形で多文化の音楽コラボレーションを実現した。

このプロジェクトには、ワールドクラスのジャズピアニスト、Geoffrey Keezerと、グラミー賞受賞歴などのある世界有数のネイティブアメリカンフルートパフォーマーの1人、R. Carlos Nakaiを招待して、ハワイのトラディショナル曲を中心に、おのおののアイデンティティーや音楽性、才能を尊重し合いながら、このアルバムをまとめ上げた。

Geoffrey Keezerは、世界的に有名なジャズピアニスト。
1970年11月21日、ウィスコンシン州オークレアで生まれ、3歳でピアノを始め、ボストンの名門バークリー音楽大学に入学。Diana Krall, Chris Botti, David Sanborn, Christian McBride, Ray Brown, Benny Green, Chick Corea, そして、 Jim Hallなど、数えきれないほどの共演歴を誇る。

R. Carlos Nakai
もともと、古典的なトランペットと音楽理論の訓練を受けており、1983年以来、35枚以上のアルバムをリリースしており、アメリカ国内はもとより、ヨーロッパ、日本などでのライヴの経験もあり、ギタリストのWilliam Eaton, フルートのPaul Hornや Phillip Glass、さらには、さまざまな交響楽団との共演歴を持つ。

このアルバムの中で、標榜したコンセプトを最も象徴的にわかりやすく表現できたのは、Raiatea Helmをゲストヴォーカルに招き、3人の演奏にCharles Kaupuのハワイアン・チャントを交えた#6 “Ina”(=John Lennonの”Imagine”)ではないかと思う。
下のYou Tube動画で、ダイジェストを見ることもできる。