Love is All (1997, Triple Rose Records)

このちょっと平井堅似の男性はマウイ島出身のDamon。

本名、Damon Williams、当時19歳の彼は、オーディション番組the Oceanic Road To FameとNa Leoの輩出で一躍その名を広めたI-94主催の音楽的才能発掘企画”Brown Bags To Stardom”を獲得し、ハワイ州中の注目を集めるなか、このアルバム”Love Is All”でデビューを果たす。

幼い頃から、父の聴くMarvin GayeやSmokey Robinsonといったソウル、R&Bを吸収し、育ったDamonは、すでに数々の歌唱コンクールなどで優勝してきたキャリアを持っていた。

Damonのデビュー戦略のために、強力な「チーム」が結成され強力にサポートを務めている。
“Maui Entertainers Guild & Agency”= M.E.G.Aと名付けられたプロデュース・チームには、Damonの母であるDonna Williams-Craneを筆頭に、Dave Inamine, Mike Kennedy, Fred Krauss、そして、 Keali’i Reichelが名前を連ねて、レコーディングにおける演奏のみならず、アルバム全体のプロデューサーとしても位置付けられている。

更には、#7. Beatle Medley: Yesterday/Let It Be/In My Lifeでは、まず、Damonが”Yesterday”を歌ったあとに、Uluwehi Guerreroが”Let It Be”を歌い、Keali’i Reichelが”In My Life”で締めるといった登場の仕方もしている。
アイランド・レゲエの大ヒット曲”Coconut Girl”を提供してくれたBrother Nolandは、自らが、そのカヴァー・バージョン#4のバック・コーラスを務めるといった形で応援を表明してくれている。
Olivia Newton-Johnの1974年のヒット曲 “I Honestly Love You”のカヴァーは新鮮で、その後の活躍を予感させるアプローチも垣間見ることができる。

Damonは、Keali’i Reichelのアルバム”Ke’alaokamaile”の#6 “Mele ‘Ohana”を楽曲提供をはじめ、その後も、アート・ディレクションやマーケティング、エンジニアとエンターテインメントの中での適応範囲を拡充し、様々な形で積極的に数多くのアーティストの作品にも参加し、ますます活動の場を広げている。

Brown Bagsで勝ち残ったときの記念CDに収録されたStevie Wonderのカヴァー