Slack Key Guitar (1998, Palm Records)

グラミー賞に”Best Hawaiian Music Album”というカテゴリーが生まれたのが、2005年のこと。
その当時、まだハワイ在住だった僕の周りの音楽関係者たちは、「やっと、ハワイの音楽が世界に認められた!」「ハワイアン・ミュージックがラップやメタルと同じ土俵に登った」みたいな大騒ぎをしていたのを昨日のように思い出す。
その記念すべき最初の受賞作品となったのが”Slack Key Guitar Volume 2″。
“Volume 2″というだけに、当然、その前にリリースされている「原型」があるのだが、不思議なことに、そこには誰も、あまり触れてこない。なんか不憫だ、、、なので、敢えて、1998年リリースのアルバム”Slack Key Guitar”を取り上げてみる。

ハワイの歴史的文化遺産”Slack Key Guitar”奏法。
7人のスラック・キー・ギター奏者をピックアップし、”Slack Key Guitar”奏法の多様性、それぞれの素晴らしさ、それぞれのユニークさを感じ取ってほしいという企画意図だろうと勝手に想像している。
この企画の首謀者は、KOHALAのリーダーであり、Palm Recordsの主宰者でもあるCharles Michael Brotman。
そして、参加ギタリストは、Bryan Kessler, Randy Lorenzo, Sonny Lim, Ken Emerson, John Keawe, Kevin Teves。
いずれも紛うことなき名手揃いなのだが、さわやかというか、おしゃれというか、小綺麗な演奏が並んでいる印象だ。
まぁ、KOHALAを率いるCharles Michael Brotmanの好みというか、テイストというか、理解できる作りではあるのだが、Pahinui家系のような、ガッツリというか、どすこいというか、図太い土着的な響きをもつスラック・キーもまた、その醍醐味の一つであることには疑う余地はないので、なんか、そっち方面への間口の広げ方もあったのかな?と思ってしまったりもするのだなぁ、、、