The Pahinui Bros.(1992, Panini Records)

ザ・パヒヌイ・ブラザーズとは、ハワイアン・ミュージックの御大ギャビー・パヒヌイを父親にもつ、長男、ジェイムス”ブラ”・パヒヌイ、次男、シリル・パヒヌイ、三男、マーティン・パヒヌイのパヒヌイ三兄弟。

偉大な父親から引き継いだスラック・キー・ギターの伝統と、そこに新しい技術、センスを取り込む発想力で、アイランド・ミュージックにソウル、カントリー、レゲエといった現代音楽の要素を取り込み、融合させることでアイランド・ミュージックの進化、発展に大きく寄与している。
また、彼らはそれぞれが、ギター、ウクレレ、スティール・ギター、ベースなど、多様な弦楽器を巧みに操ることから”ストリング・バンド”と称されていた。

75年に、父ギャビー・パヒヌイがライ・クーダーとレコーディングした『Gabby Pahinui Hawaiian Band Volume One』に参加するなど、3人兄弟のうち、シリルとブラは早い段階から音楽に携わっていたが、父親の死を機に音楽から一切手を引いてしまう。

しかし89年、母親エミリーに勧められ、スラック・キー・ギター・コレクションのレコーディングを決意。
父親の死後、兄弟でレコーディングをするのはこれが初めてであった。
その際、当初の活動を段取りしてくれたのは、他でもないあのライ・クーダーだった。

3兄弟はライのすすめで、バーバンクのスタジオに出向き、伝統的なハワイアンソングに加えて、ジョンレノンの「ジェラス・ガイ」や「マイ・オールド・フレンド・ザ・ブルース」をレコーディングしたのである。

この3人をサポートするために、ライが声をかけたのは、以下の強力なラインナップ!
ラップ・スティール、ブズーキ、フィドルは、デヴィッド・リンドレー
鍵盤系&ストリングス・アレンジにニック・デカロと、バン・ダイク・パークス
ドラムス、パーカッションには、ジム・ケルトナー
そして、ライ自身ももちろんギターをプレイしている。

ライのプロフェッショナルなプロデュース技法によって、このアルバムは90年代初頭のワールドミュージック・ムーブメントを代表する1枚となった。

このアルバム、The Pahinui Bros.はあのPanini Recordsからのリリースだった。

  1. Kowali
  2. Isa Lei
  3. Jealous Guy
  4. O Kamawailua Lani
  5. Do You Love Me?
  6. Henehene Ko Aka (For You & I)
  7. My Old Friend The Blues
  8. Mele Of My Tutu E
  9. Come Go With Me
  10. Panini Pua Kea
  11. Waimanalo Blues