2005年のリリース時点で、ライナーノーツに「25年以上もスラック・キー・ギターを弾いている」とあるので、現在、2021年の現時点では40年以上のキャリアを誇る大ベテラン。
存命中のハワイアン・スラック・キー・ギター・シーンの中では、レジェンド中のレジェンドだ。
1956年ホノルル生まれ。4年生でウクレレを始めるが、高校生の時にラジから流れるケオラ・ビーマーのギターを聞いてスラック・キー・ギターに興味を持つ。19歳でUH(ハワイ大学)のスラック・キー・ギター・クラスに参加し、20歳になると個人的に、スラック・キー・レジェンド、ソニー・チリンワースのもとで、その技法を掘り下げる。1986年、30歳のときには、UHに戻り、これまで彼が学んだハワイアン・スラック・キー・ギターの知識を若い世代に広く伝えてゆく。
彼のプレイスタイルは、スラック・キー・ギターとしては、少々、几帳面すぎるかも?と思えるほど、ストイックな部分もあるが、それ故に、彼の、「アレンジャー」「作曲者」「伴奏者」などの肩書の前に「リスペクトさてれいる」という形容詞が必ず添えられている。
彼はスラック・キー・ギター伝道師としての使命を果たすべく、2000年には最初の指導書”Guitar Playing Hawaiian Style: Kī Hō‘alu”や、2007年のDVD”Guitar Playing Hawaiian Style with Ozzie Kotani: Kī Hō‘alu Vol. 1“、2009年に”Guitar Playing Hawaiian Style with Ozzie Kotani: Kī Hō‘alu Vol. 2”を発表している。また、2000年代になると、ビショップ・ミュージアムで個人レッスンを開催したりもしている。
ソロ活動としては、1988年にファーストとなる”Classical Slack”をリリースし、1995年に”Kani Kīhō’alu”、2002年に”To Honor a Queen:The Music of Lili’uokalani”、そして、2005年に本作、”Paka Ua(Raindrops)”を発表している。本作のプロデューサーは、ダニエル・ホー。基本的にはオジーのソロのレコーディングだが、#2,6 & 9ではホーがウクレレでサポートしている。
本アルバムのタイトル・チューンは、ジージ・クルーニー主演で、ハワイ好きの間で話題となった2011年の映画「ザ・デセンダンツ」のサウンドトラックにも使用された。ハワイロケで映し出されたハワイの美しく穏やかな風景と、そこに溶け込むように流れる本物のハワイアン・ミュージックを採用したサウンドトラックには、ギャビー・パヒヌイ、レイ・カーネなどのレジェンドから、マカナ、ジェフ・ピーターソンらの若手まで、ハワイアン・ミュージックを語る上で欠かすことの出来ないトップ・ミュージシャンたちの名曲が並んでいる。興味のある人は、そちらもチェックしてみてはいかが?
- La ‘Oe E Ka la E Alohi Nel
- Paka Ua
- Chet Atkins’ Opihi Moemoe
- Ka’Ahele Ki Ho’Au
- The Londonderry Air (Danny Boy)
- He Hawai’i Au
- Na Pua Lei ‘Ilima
- Goin’ Country
- Napili Chimes
- Ke Anuenue
- Ka Wai O Namolokama