Hawaii’s Favorite Slack Key & Steel Guitar Instrumentals Vol. II (1969/1991, Hula Records)

このアルバムの正式タイトルは、Hawaii’s Favorite Slack Key & Steel Guitar Instrumentals, Formerly “Kani Ka Pila! Let’s Play Music!” Vol. IIだ。長いね。
もともと、1960年代のアナログLPだったものを1991年にCD化した作品。
エグゼクティヴ・プロデューサーが、ドン・マクダーミッドJr.。
この人物は、ハワイを代表する名門フラ・レコードの創設者で半世紀にわたり幾多の名歌手を発掘、育成してハワイ音楽を世界に広めた偉大なるプロデューサー。
米本土から単身ハワイに渡り定住した音楽家の父マクダーミットSr.に招かれに渡ハしたJr.は自らレコーディング機材を操りレコード制作をはじめ1947年にフラ・レコードを設立した。
ギャビー・パヒヌイを初め、エディ・カマエとサンズ・オヴ・ハワイ、フラソングの最高峰アンティー・ジェノア・ケアヴェ、超美声の男性歌手パラニ・ヴォーン、チャントの名手イーディス・カナカオレ、さらにはウクレレの名手オータ・サンも彼の発掘したアーティストで、いずれ劣らぬハワイアン・ミュージック・シーンの名アーティスト・名グループ揃いだ!

このアルバムのアーティスト名義、The Maile Serenadersは、ピーター・ムーンの記事で、ギャビーの追っかけ(w)をやっていたピーターが、念願かなってギャビーと組めたバンドと名前だけ紹介していたが、どうググってもフル・メンバーが出てこない。ジャケットに堂々と”including Gabby Pahinui, Peter Moon, David “Feet” Rogers”とあるので、こういったミュージシャンを含むセッション・アルバムと理解したほうがいいのかもしれない。
ギターやウクレレを、ギャビー、またはピーター・ムーンが担当し、スチール・ギターはフィートなのだろう。
“Kani Ka Pila”自体、基本的に週末に誰かのうちの裏庭で、自発的に開催されたアドリヴ+セッション大会なので、みんなのよく知るトラディショナル曲を中心に、ゆるいノリでレコーディングしたなの作品だろう。(と勝手に解釈している)
アルバム全体が、あまり細かい決め事をせず、一発録りで収録しました的な自由なグルーヴで、なんかほっこりさせられる1枚。