The History of the Sons Of Hawaii (2004, Mountain Apple Company)

ハワイアン・ミュージックシーンにおけるレジェンド、スーパースターたちが結成したグループ、サンズ・オブ・ハワイのドキュメンタリーDVD。

1898年  ハワイがアメリカに併合された後、ハワイ語は公の場での使用を禁止されてしまう。

1930〜50年 第二次世界大戦を挟んでエキゾチックな南国のパラダイス「ハワイ」の人気が急上昇。
従軍を終えた兵士たち、本土から船旅で訪れる裕福な観光客たちのためにワイキキを中心としたホノルルも大きな発展を遂げる。
 
1959年 ハワイが米国50番目の州に。

これは、ハワイ州が大きく欧米化にかじを切ることも意味した。

1960年代になると、ワイキキのホテルでも盛んに演奏された、ハパ・ハオレと呼ばれる観光客向けの音楽が、白人たちのイメージするエキゾチックなハワイアン・ミュージックとして映画とともにアメリカ本土へと「輸出」され人気に。
当時、「ハワイアン」として人気を博したアーティストはビング・クロスビー、ドン・ホー、クイ・リーなど。
ハワイのトラディショナル・ミュージックは衰退の一途をたどる。

一方、その反動として、ハワイの人々のもとにハワイの文化的アイデンティティと伝統ハワイの価値観を取り戻そうとする、ハワイアン・ルネサンス運動が始まる。
これは伝統的なハワイ音楽への関心に始まり、ハワイ語、ハワイ・ピジン、フラといったハワイアン・カルチャーの幅広い分野にまで広がる。

そんな中で、重要な役割を果たしたのアーティストの一つが、1960年代に活動を開始したサンズ・オブ・ハワイ。
1964年に始まっていたフラの祭典「メリー・モナーク・フェスティバル」もこの運動を後押しをすることになる。

そんな「サンズ・オブ・ハワイ」は、超スーパーグループ。

それだけに、ツーリズムとは距離を置き、ローカルに向けてのライブ活動は、ハワイアン・プライドを音楽で表現し、ロコ達から熱狂的に受け入れられた。

オリジナル・メンバー:
エディー・カマエ(ウクレレ、ヴォーカル)
ギャビー・パヒヌイ(スラックキー・ギター)
ジョー・マーシャル(ベース)
デヴィッド・”フィート”・ロジャース(スチール・ギター)

グループのキーマン、エディ・カマエ本人はもちろん、新旧メンバーや様々な関係者本人からインタビューを通じて語られるエピソードは、ハワイアン・ルネッサンス目撃者の証言としても重なってくる。

同内容がPBSで放送されたときの番宣(?)