Tiny CD 2 (2002, Score Records)

ハワイのローカルケーブルTV チャンネル OC16(現Spectrum OC16)には、ロコのみを対象とした幅広いジャンルのオリジナル番組を制作・放送していて、本当の意味でのローカル暮らしの一端を覗かせてもらうには、かなり貴重な情報源である。
地元のロコしか通わないようなレストランを訪ねて名物料理などを紹介する”Local Kine Grinds”や、DVDにもなったローカルのみの為のMV紹介番組“OverDrive Live”などの、人気番組を次々と制作しているのだが、なかでも最も長寿番組ではないか?と思われるのが30年近く続いている”Tiny TV”という番組。

タイニー・タダニという日系人がメインのMCを務める番組だ。
彼が、「タイニー・カム」と呼ぶ小型ヴィデオ・カメラを持って街なかの(主に)スモールビジネスのお店を訪ね、オーナーや店主にインタヴューしつつレポートしてゆくという地元密着な番組。

割とヨイショが上手なタイプで、うまく視聴者プレゼントをゲットしたり、自らスポンサーを獲得したりと、その辺りも、長寿番組であり続ける重要なポイントの一つであるような気がしているのだが、、、視聴者の反応には微妙な部分もある。
まぁ、大阪で言うところの浜村淳さんのような、好きか嫌いかは別としてもローカルの誰もが知っている存在な人物である。

そんな彼が2001年に、番組初という形で「タイニー・CD」というコンピレーション・アルバムを制作し、発売するする。音楽的な裏付けとしてはグラミー賞受賞歴もあるレコーディング・エンジニア、プロデューサーであるデイヴ・タシアローン “Dave Tacciarone、個人的に正しい発音が未だに不明なんだが、、、) を共同プロデューサーに迎えて、ローカルの女性4人組、フォルテ、”Local Kine Grinds”の司会(レポーター?)やKCCNのDJとしてもお馴染み、ブラダ・サム&リナ・ガールなどお友達を迎え、さらには、自らも歌手としての「デビュー・アルバム」は、いきなり(当時の)タワーレコードのチャートで1位を獲得する。
更には、その収録アーティストたちを一同に介したCDリリース記念コンサートをハワイ・シアターで開催し、自らのキャリアに「音楽プロデューサー」と「歌手」の項目を付け加えることに成功した。

そして勢いづいて、翌年に、その第2弾としてリリースしたのが、この「タイニーCD 2」。
参加ミュージシャンは、更に豪華になり、一流どころが顔を並べる。
そして、彼のエンターテイナーとしての実力を見せつけたのが、この一流ミュージシャンたちにカヴァーさせたヒット曲の数々。(詳しくは、下記の収録曲リストをご参考に)
ビートルズ、ガンズ、デヴィッド・ボウイに、バリー・ホワイトと、かなりの縦横無尽ぶりだ!タイニー自身の歌うスマッシュ・マウスのヒット曲「オール・スター」のカヴァーもなかなかの仕上がり!
しかも、これらの楽曲が、このアルバムでしか聴けないヴァージョンであるという贅沢さ!!

彼の「やり手」な手腕をたっぷりと感じ取れるナイスな1枚。

Tiny CD 2

1 Oh What A Night (The Four Seasons)/ Smooth Body, SuolFree feat. Jennifer “Lehua” Barbar
2 Kiss Me(Sixpence Non The Richer) , Robi Kahakalau
3 Father Figure (George Michael), Justin
4 Here, There & Everywhere (The Beatles), Tani Lynn w/ Disguyz
5 Patience (Guns’n Roses), Sean Na’auao
6 Unforgettable (Irving Gordon), Robert & Tiera Kekaula
7 Sweet Thing (David Bowie), Ilona Irvine
8 So Much in Love (Timothy Schmit), Vaihi
9 Can’t Get Enough of Your Love (Barry White), Danny Kennedy Of Mana’o Company
10 Love Song (John Abercrombie), Ernie Cruz, Jr.
11 All-Star(Smash Mouth), Tiny Tadani