Sons Of Hawaii (2004, Hawaii Sons Inc.)

ハワイの音楽史にその名を残す並外れたミュージシャンであり、先駆的な映画製作者でもあったEddie Kamaeの活動50年の区切りを祝う一つのマイルストーンとして出版された”Hawaiian Son: The Life and Music of Eddie Kamae”という著作の出版と足並みをそろえ、その内容に沿ってThe Sons of Hawaiiが録音したクラシックアルバムから12曲の楽曲が選ばれ、このアルバムが制作された。

この260ページに及ぶ書籍には、60を超える歴史的な写真、図面、アルバムカバーが含まれていて、歌手、作曲家、アレンジャー、バンドリーダー、ウクレレの名手として生きたEddieの半世紀をトレースすることは、すなわち、近代ハワイの音楽史を再確認、再検証することでもあった。

1940年代後半に、まだ青年だったEddieはウクレレの地位を一変させるジャズ・ピッキング・スタイルの奏法を開発し、その第一人者として君臨することになり、1970年代半ばまでに、 Gabby Pahinuiと共に設立した伝説的なバンド、The Sons Of Hawaiiは、20年間、ハワイアン・ルネッサンスにおいて主導的な役割を果たした。
結果、Eddie自身が、ウクレレの天才であり、古代から伝わったボーカルの伝統を21世紀に伝える力強い歌唱スタイルで知られるハワイのフォークヒーローとしての存在を確立した。

1980年代には、バンドでの活動も続けながら、映画製作者として2番目のキャリアを開始し、再びハワイ文化のパイオニアであることを証明した。 以前紹介した、”Lahaina: Waves of Chage“や、自らの活動のドキュメンタリーでもある”History of The Sons of Hawaii“もそんな作品の一つで、妻のMyrnaとともに10作近い作品を世に送り出した。

そんな歴史的偉人の集大成的な総括の1枚。