Kanakafari (1991, Kahele Music Inc.)

ジャケットだけ見ると、超過激な民族主義的なバンドかと思うよねw
Ho’Aikaneは(基本)ハワイ島出身の5人組アイランド・レゲエを得意とするグループ。
バンド名、Ho’Aikaneとは「友達をつくる」というような意味。

このレコーディングの時点でのメンバーは、
Walter Tavares: Vocals, Uke
Nolan Hao: Vovals, Accaustic Guitar, Slack-key Guitar
Derek Hoku Tolentino: Vocals, Electric Guitar
Jamin Wong: Drums, Perc. Vocals, Rap, Electric Guitar, Bass
Jamieson Wong: Vocals, Electric Bass
の5人。

ちなみに、2018年初頭には:
Jamin “Chief Ragga” Wong
Jamieson “Wongie” Wong
Joby Wong
Russell Mauga
Isaiah Tavares
という顔ぶれのよう。

Ho’Aikaneのサウンドは、直球のレゲエバンドのように聞こえたりもするが、よく聞くと、なにかひと味、音楽を新鮮な方向に引っ張る微妙な流れが働いている。
それは、予め計算されたメンバー構成にあるようだ。

当初、ボーカリストでウクレレ奏者のWalter TavaresとボーカリストでギタリストのNolan Haoは、純粋なハワイアンのグループとしてHo’Aikaneを設立したが、 最初のラインナップで3回レコーディングした後、解散することにし、新たに、ギターとヴォーカル、そしてソングライティングも得意とするDerek “Hoku” Tolentinoと、まだティーンネイジャーだったJamin Wongを加入させ何か新鮮で、オリジナリティーのある独自の方向性を模索することにした。

オアフ島で生まれ育ったDerekはハワイアン・ミュージックとともに成長したが、同時に10代でレゲエも身につけていた。また、ハワイ島カイルア・コナ出身で、父、Jamieson Wongもベース・プレイヤーとして参加しているJamin Wongは父の影響で70年代や80年代のオールド・スクールな音楽に親しんだ一方で、RUN DMCを筆頭に、R&B、ヒップ・ホップといったブラック・ミュージックにも関わってきた、ラップを得意とするドラマーだ。

つまり、この二人の加入で、Ho’Aikaneは、Derek “Hoku” Tolentinoがスラック・キーのギター・スタイルで、さりげないアイランド風味を醸し出したサウンドに、10代のJamin Wongが”Raggamuffin”スタイルのラップを取り入れて、どこにもないアイランド・ミュージックを産み出しているのだ。

このアルバムでは、Derek “Hoku” Tolentinoが描き下ろしたオリジナルに加え、Loggins and Messinaの”Run River Run”や、Rita Coolidgeの”Higher And Higher”、そしてBob Marleyの”Roots, Rock, Reggae”をカヴァーして、独自の世界観を打ち出してきている。

UB 40、 Ziggy Marley、 Steel Pulse そして、 Black Uhuruなど、数多くの有名アーティストたちのオープニング・アクトを務め、1980年代から歴史を刻むこのグループは、昨年2020年1月に30周年記念ライヴをBlue Note Hawaiiで開催したが、その前年、残念なことに2019年9月にベーシストで、Jaminの父でもあるJamieson Wongが亡くなっている。

  1. Love Is A Beautiful Thing
  2. Night Nurse
  3. Island Reggae
  4. Ho’Aikane Dub
  5. Reggae Ambassador
  6. Gwarn!
  7. How I Love Thee
  8. Medley: Run River Run ~ Higher And Higher
  9. Roots, Rock, Reggae