Peter Moonの”Kanikapila!“でGail Mackと並んでフィーチャーされていたヴォーカリストがこのJennifer Barber。
このCDも”Kanikapila!”と同じく、MGC Recordsからのリリースで、、、ってMGCをちょっと確認してみたら、元々はMackey Fearyのソロ名義のアルバムを2枚ほどリリースしていて、後に、 George StreetからのGail MackのソロもMGC。 となれば、Peter Moon “Kanikapila!”での参加メンバーのメンツは、謂わば「MGCまつり」だったのねと、変に納得させられた。
まぁ、それはさておき、このJennifer Barberという人物は、カリフォルニア州レドンドビーチで生まれ育った本名、Jennifer Lehua Nash Barberといい、ハワイの伝統的な音楽一家に生まれた母とテネシー州オークリッジのヒルビリーな父のもとに生まれた。彼女の中にある音楽の一部は彼女の母親の側から来ている。
それは、ビッグアイランドのカラパナ出身の伝説的なKa’apana familyの血。 レコーディングアーティストであり、スラック・キー・ギターと伝統的なハワイのボーカル・マスターとしての彼女の家系には、祖母のMama Tina Ka’apana、祖父のGeorge Ka’apana, 母、Lehua Ka’apana Nash, 叔父にはLedwardとNed Ka’apana, そしていとこにはDennis Pavaoなどなどといった驚異の顔ぶれ。
Jenniferの創造性は、多くの曲で作詞作曲を共作していたお父さんにも影響を受けている。幅広い種類の音楽へのアプローチは父親の血の中にあり、カントリーとロックがミックスされ、さらに母方のハワイアン・テイストに追加されている。
4歳のときに歌い始めたJenniferは、8歳までに、2人の姉妹と一緒にナッシュビルの伝説的なオーディション、グランド・オール・オプリーを受けていた。 彼女のお気に入りの歌手は、Dolly Parton, Linda Ronstadt, Emmylou Harris,そして、Baddy Hollyだったという。
その後、Jenniferは1989年にJohn Barber氏と結婚し、ハワイに引っ越して、そこから、自らの手で、歌手とレコーディングアーティストとしてのキャリアを切り開いたのだった。
そんな、超多様な音楽的バックボーンを持つ彼女の多様性を1枚に詰め込んだのがこの”The Many Sides Of…..”で、その名の通りJenniferのいろんな表情を見せてくれている。ジャケ写も、それを表すかのようにテンガロン・ハットをかぶったJennifer、ボーイッシュなパンツ姿のJennifer、シックなロング・ドレスのJennifer、、、色んなタイプのJenniferがポーズをとっている。
このアルバムは、いきなりアダルトな匂い満載、The Isley Brothersの”For The Love Of You”で幕を開け、懐かしの映画”Staying Alive”からの名バラード”I’m Never Gonna Give You Up” (Frank Stallone)や、Americaの名曲”Tin Man”のカヴァーをさらっと散りばめながら、彼女自身のペンによるオリジナル曲など全14曲で構成されている。このアルバムを聞く限りでは、母方の血は意外と影を潜めているように感じられる、、、
Jennifer Barberの声はどこかなじみのあるエキゾチックな香りがあり、そこに、現代のポップ、カントリー、R&B、ジャズ、ロックのエッセンスが程よく含まれている。
- For The Love Of You
- Comeback
- You Say
- I’m Never Gonna Give You Up
- Surfer Boy
- Tin Man
- Love On A Sidewalk
- You N Me
- Exchange Of Promises
- Just Can’t Wait
- What I Need Is You
- Thoughts Of You
- You Are My Sunshine
- If Only In My Dreams