Haleakala, (2008, Peterson Productions)

スラック・キー・ギターリストのJeff Petersonに関しては、以前にも紹介しているので、そちらの記事を参照してもらうとして、共演しているRiley Leeについてちょいとご紹介。

1951年、テキサス生まれのRiley Leeは1966年、15歳のときに家族とともにハワイへ引っ越してきた。
Rileyと妻、二人の娘たちと1986年までホノルルで暮らした後にオーストラリアへ引っ越す。
Rileyは、1970年に日本へ旅行したときに尺八と出会い、演奏を始めた。
かなり日本的で厳しい修行を耐え、研鑽を続けた彼は、1980年に外国人としては初の「大師範」となった。
その後、Rileyは、尺八を軸としてその可能性を追い求めるかのような、50を超える実験的でユニークな録音物を発表している。

そんな数多い作品の中にJeff Petersonと合作している作品は、2000年に、発表された”Maui Morning”を皮切りに, “Haiku”, “Bamboo Slack Key”とすでに3作あり、この”Haleakala”は4作目となる。(2014年には、”Island Breeze”が追加された)

Jeffとの出会いは、1999年に、ホノルルで、Rileyの尺八の発表会が開催されることになった時。
その直前に、Rileyは尺八とハワイアン・スラック・キー・ギターとの共演というアイデアを思いつき、急遽、共演者を探したが、その時に数多くのハワイの人たちから推薦されたのがJeff Petersonだったという。
この素晴らしい出会いは、当事者2人にとっても、奇跡的かつ、衝撃的なもので、さらには、ハワイのミュージック・シーンにも大きなインパクトを与えるものとなった。
こうして「スタンダード」な組み合わせとなった尺八とスラック・キー・ギターによるデュオは、ハワイ大学マノア校のオーディトリアムでコンサートを開催した後、3年間連続で、マウイ、カウアイ、ホノルル・アカデミー・オヴ・アーツでコンサートが開催されることになり、レコーディングもシリーズ化してゆくこととなった。

古代からハワイに伝わるノーズ・フルートを、高度に進化させたかのような尺八の音色は、繊細な響きを持つスラック・キー・ギターと、見事にマッチングして、ともに同じ土地で同じ歴史を重ねてきたかのように自然なサウンドを生み出している。ヒーリングとニューエイジをハワイに融合したサウンドは、我々日本人より、欧米の人々により大きなインパクトをもたらしたのかもしれない。

  1. Hosmer’s Grove
  2. Ipo Lei Manu
  3. Ku’u Pua Lei Mokihana
  4. Maori Brown Eyes
  5. ‘Akaka Falls
  6. Manu O Ke Kai
  7. Lahaina Luna
  8. Ka Wai Lehua ‘A’ala Ka Honua
  9. Holua Cabin Serenade
  10. Maika’i Ka Makani O Kohala
  11. Haole Hula
  12. Pua ‘Ahihi
  13. Wahine ‘Ilikea
  14. Sanoe
  15. Sliding Sands