Polinahe (2009, Palm Records)

フラ界ではその名を知らない人はいないとまで言われる、音楽とフラの名門中の名門、リム・ファミリー。
そのリム・ファミリーの3女であるローナ・リムは、母メアリー、兄のサニー、そして、姉のレイアロハとナニとともにリム・ファミリーとしてハワイの伝統音楽を継承するグループとして1970年代から活躍を続けており、彼らのアルバムは2002年のナ・ホクを受賞し注目を集めた。

フラの世界最高峰といわれ、ハワイ島のヒロで毎年4月に開催されるメリー・モナーク・フェスティバルで幾度となく優勝を飾り、常に大きな話題をよぶのは、リム・ファミリーの長女レイアロハと次女のナニ。クムフラの2人が美しいドレスで優雅に踊る姿はフラ愛好家たちのあこがれの的。そして、2人のフラを音楽で支えるのが、兄でグラミー賞受賞歴もあるスラック・キー・ギターリスト、サニー・リム、そして、母メアリー・アン、このローナ・リムの歌声と言うわけだ。

フラを愛するダンサー達のために、フラの名曲ばかりを集めたこのソロ・アルバムは、約2年の歳月をかけ、ハワイのトラディショナルな音楽がぎっしりと詰まった傑作となって完成した。アルバムタイトルの「ポリナヘ」はピュア・ハート(=純粋な心)という意味だ。

コハラの「ララバイ」などでも聞くことのできるローナ・リムの美しい歌声は、フラへの深い知識とハワイ島の伝統的な音楽を踏襲した、まさにハワイの生きた宝物である。

このアルバムのプロデューサーは、やはり、コハラのチャールズ・マイケル・ブロットマン。
なんだか、ご近所さんな様子。

Spice of Lifeからリリースされた日本盤には、”E Ku’u Tutu”という曲がボーナス・トラックとして13曲めに収録されている。