聖なるハワイイ(2007, 書肆侃侃房)

長い間、多くの人にとって、常夏の島ハワイ=ワイキキであり、アロハシャツやムゥムゥを着て豪華な食事をし、世界中のブランドが集まったストリートやショッピングセンターで、一世一代の買い物をする。そんな場所であり続けた。
しかし、2000年代初頭からのハワイ・ブーム、フラ・ブームで、その風向きに変化が起こった。
それは、日本人にとってのハワイアン・ルネッサンスとも言っていいほどの変革で、インターネットの発展と歩調を合わせたかのようなタイミングで、これまでよりも幅広く、大量に届くようになった情報をもとに、本来のハワイアン文化や伝統、精神性、歴史、さまざまなハワイを深く掘り下げはじめた。そして、西洋的物質文明の権化のように紹介され続けてきた「ハワイ」が、本当は、深くて豊かな精神的文化的バックボーンを持つ「ハワイ」であると理解のベクトルが大きく変わることとなった。

そんなタイミングで発刊されたのがこの本「聖なるハワイイ」。
「ポリネシアからの移民航海の歴史、ハワイアンの神話と神々、精神学フナの叡智、ハワイアンの総合芸術であるフラの歴史と解説から、美しいレイにまつわる花々や植物、ハワイ語、天文学、王朝の歴史までハワイアンの文化を総合的に紹介した画期的な本。」
グラフィック・デザイナーであり、チャネラーとしての一面を持つ著者、Hiroshi Makaula Nakae氏が、今まであまりクローズアップされることのなかったハワイ文化の内面、精神学や思想といった「スピリチュアル」な側面からスポットライトをあてて、ハワイの持つ不思議な魅力を、改めて、様々な切り口で紹介している。きっちり真面目な本です。