Without Tears Waimaka’Ole (1994, Little Pine Productions)

ジョアニー・コマツ。彼女も情報の少ないミュージシャン。

数少ない女性スラック・キー・ギター・プレイヤーの1人で、ソロアルバム以外では、ジョージ・ウィンストンの主催するダンシング・キャット・レーベルのクリスマス・アルバムに、名だたるスラック・キー・ギターリストと共に名前を並べている。キホアル・クリスマスでは、Po La’i E (Silent Night)を、ハワイアン・スラック・キー・クリスマスでは、O Holy Night (Pö Hemolele)で、妹のルースと共に参加している。

このソロ・アルバムでも、ゲスト・プレイヤーには錚々たる面々が名前を連ねている。
プロデューサーも兼任したキーボーディスト、アレンジャーにはキット・エバースバック、珍しくキーボード、シンセサイザーでクレジットされているのがダニエル・ホー。ギタリスト陣では、ソニー・チリンワース、オジー・コタニケオラ・ビーマー、そして、ケネス・マクアカネといった具合だ。

そうした大御所の参加したオケに乗った彼女の独特のヴィブラートをしたためた伸びやかで、透明な歌声は、独特の存在感を届けてくれる。時折、ハワイ語も交えて歌われるのだが、なぜかメロディーや節回しはハワイアン濃度低めで、フォーク寄りの爽やか系。様々な曲の合間に聞こえてくるハワイアン・ノーズ・フルートやリコーダーは、妹ルースによるものだが、これまた、のどかでメルヘンチックな響きさえして、ヴォーカルと絶妙に絡むそのサウンドは、コマツ・ワールドにおける重要なポジションを占めている。

コマツだけに、レーベル名はリトル・パインか!

  1. Sail the Hokule`a
  2. Queen`s Jubilee
  3. Kahakuloa
  4. At Ka`ena Point
  5. The Wind of Moloka`i Darylight
  6. The Window of Moloka`i Twilight
  7. The Night Skies
  8. Sweet Sans Souci
  9. Maui, Stop the Sun
  10. Moving Forward
  11. Waimaka`ole
  12. Rain Tuahine O Manoa