ハワイのカレン・カーペンターとも呼ばれるゲイル・マック。
ふとした歌いまわしや素直な声質が、たしかにそれっぽく聞こえるときもある。
ゲイルはノース・ショア、ハレイワで生まれ育ったが、(理由は不明ながら)毎年夏にはアラスカで漁師をしていた家庭で育ったようだ。そう言われてみると表ジャケットこそノースっぽい風景の中に佇むゲイルらしき人物が写っているが、それ以外のページにはダウンを着てサーモンを釣り上げているシーンなど、アラスカでの生活を思わせるっ写真が使用されている。そういった暮らしぶりがアルバム・タイトル「パシフィック・スノー・バード」に集約されているのだろう。
ゲイル・マックは、1980年代に話題となったハワイアン・アコースティックAORユニット、ジョージストリートの紅一点ヴォーカルとしてシーンに登場。男性メンバー2人とゲイルによるゆるくてさわやかなサウンドで評価が高く、デビュー翌年の1984年にナ・ホク・ハノハノ・アワーズでモスト・プロミッシング・アーティストを受賞するも、マニア好みな3枚のアルバムをリリースして解散。そこから10年余りの彼女の活動に関しては不明だが、1996年からはピーター・ムーンとの活動があったようで、それが、結果的にこのアルバムの制作の大きなきっかけでもあったようだ。
収録曲12曲は大きく分けるとピータ・ムーン・サイド6曲とロバート・シノダ・サイド6曲だ。(A面、B面のようにきっぱり別れて収録されているわけではない。)ピータ・ムーンは、アーニー・クルーズJr.、デイヴィッド・チョイらをコア・メンバーにして演奏、アレンジでバックアップし、1983年のジョージストリート在籍時以来付き合いのあるロバート・シノダが半分で演奏、アレンジ、プロデュースを手掛けている。チーム・ピーターは、比較的コンテンポラリー系を担当し、チーム・ロバートはハワイアンよりなサウンドを担当している。アルバム中盤には、”It’s Not A Spotlight” “Make It With You” “Beyound The Sea”といったカヴァーソングが並び、ゲイルのヴォーカルの器用さを引き立たせている。
そして、よくよくライナーを見ていると12曲めの”Water Is Wide”では、オリジナル、ジョージストリートの3人、つまりゲイルとゴードン・キム、スティーヴ・ミンのリユニオンでレコーディングされている。
ゲイルとゴードンは2017年に新作アルバムをリリースしているようだ。
- Hamakua
- Dream Lover*
- Naupaka*
- Snowbird
- It’s Not The Spotlight*
- Make It With You
- Beyond The Sea*
- Slip Away
- La Paloma*
- Hale Lau Liko*
- The Journey
- Water Is Wide
*マークがチーム・ピーターによるもの