Barefoot Natives (2006, Barefoot Natives LLC.)

共にマウイ島出身のエリック・ギリオムとウィリーKの大物ミュージシャン2人がタッグを組んだドリームチーム。
ふたりとも器用で、スラック・キー・ギターは勿論、ジャズ、ロック、ソウルなど幅広いプレイ・スタイルをカヴァーしていて、ウクレレ、ベースなどもこなすマルチプレイヤーでもあり、それぞれがメインをとれるほどヴォーカルも達者。
エリックはシカゴの音楽学校で学んだあと、俳優、歌手としてキャリアを積んでいた時期もあったようで、音楽的交友関係も広く、スティーヴン・タイラー、ジョン・レジェンド、デイヴ・メイスン、ウィリー・ネルソンなどとも共演歴がある。
妹は、歌姫エイミー・ハナイアリイ・ギリオムである。
また、ラハイナ生まれのウィリーKも、若くしてUSメインランドにわたり、ギターを中心に音楽を勉強し、様々なプレイスタイルを獲得し、ともすればハワイ出身ではないかのような西海岸スタイルのパフォーマンスを見せていたという。
しかし、90年代初頭にハワイに戻ってからは改めてハワイの伝統や精神性に重きをおいたソロ活動を始め、後に彼の活動歴の重要なターニングポイントとなる、エリックの妹であるエイミーとのコラボレーションは1993年から、およそ9年間に亘って活動し、生涯で19獲得しているナ・ホク・ハノハノ・アワーズのうち7つがこの活動に伴うものだった。
勿論、この”Barefoot Natives”も翌2007年のベスト・コンテンポラリー・アルバムを獲得している。
このアルバムに収められた12曲も彼らの幅広い音楽性を象徴したかのような間口の広さで、トラディショナル、リリウオカラニ女王の作曲したメレ、オロマナのカヴァー、ビートルズの”Something”、ロギンス&メッシーナの”Watching The River Run”を取り混ぜながら自分たちのオリジナル曲を配置している。
基本、どの曲もメインは2人のヴォーカルとギターで成立しているが、曲のタイプによってドラムスやベースのミュージシャンが参加している。

残念ながらウィリーKは2020年に、肺がんで亡くなってしまったが、エリックはマウイを中心にミック・フリートウッドのアイランド・ルーモアズ・バンドでヴォーカルを務めたり、HAPAのバリー・フラナガンともステージをともにして活動を続けている。