Making Waves (1996, Roy Sakuma Productions Inc.)

カアウ・クレーター・ボーイズは、1990年代に絶大な人気を誇ったコンテンポラリー・ハワイアン・ユニット。

カアウ・クレーターは、カイムキの10thアヴェニューをひたすら登り、ワイオマオ・ロードの行き止まりにあるパロロのハイキング・コース。結構上級者向けのトレイルのようだ(行ったことがないw)。

メンバーは、ギターとベース、そしてヴォーカルのアーニー・クルーズ Jr.、ウクレレとヴォーカルのトロイ・フェルナンデス。この2人が共に生まれ育ったのがパロロ・ヴァレーのカアウ・クレーターの近くだったそう。
アーニーはジョンとガイの兄で、父もミュージシャンという音楽家一家に育った。
トロイは、ピック弾きの驚異的な速弾きテクニックで、それまでのウクレレのイメージを再定義してしまった人物で、若きジェイクのアイドルでもあった。ハワイアン・ミュージックにおいて、あらためてウクレレの存在感を大きくさせたのは、このトロイ・フェルナンデスの存在が大きかった。ハワイのウクレレを嗜む若者たちにとっては、いわば、先日惜しくも亡くなってしまったエディー・ヴァン・ヘイレンのような存在といっていいだろう。

この、音楽とサーフィンを生きがいとする2人は、1991年にデビューアルバム「トロピカル・ハワイアン・デイ」でデビュー。活動したのは1991年から、解散する1997年までで、4枚のオリジナルアルバムと1枚のベストのみを残した。90年代に盛り上がったコンテンポラリー・アイランド・ミュージックのムーヴメントの火付け役となったグループの一つ。

この「メイキング・ウェイヴス」は、そんな彼らの最後のオリジナル・アルバム。
アーニーの安定感のある歌声と、スリリングなトロイのウクレレのコンビネーションは最強で、このアルバムがラスト・アルバムになった意味がわからないほどの安定感。
ゲスト・ミュージシャンに、アーニーの弟、ジョン・クルーズや、スチールギターのボビー・インガノ、キーボードにキット・エバースバック。ドラム、ノール・オキモトらがクレジットされている。

この2人の登場は、70年代から続いたハワイアン・ルネッサンス活動の促進と総仕上げの確認をしたと同時に、改めてローカルの若い層に、自分たちの文化や社会に誇りをもたせる役割も果たした、そんな存在でもあった。

1 Makaha
2 Hualalai
3 She Thinks I Still Care
4 West Maui Mountains
5 Mother Street
6 Under The Boardwalk
7 Do You Really Want To Hurt Me So
8 Pane Mai
9 So Free
10 Honolulu Baby
11 He ‘Ono
12 Dreams/Waimea Cowboy
13 Makaha (Re-mixed Version)