Hawaiian Steel(1996(?), Sma’Kine Recording)

1885年、カメハメハスクールに通う11歳の男の子が、自分のギターでなにか面白い音が出せないかと、線路傍で拾ったボルトを滑らせたところ、特徴的なスラーの音が生まれた。

そこから7年間、彼は、自宅の櫛やタンブラーを使って独自の演奏方法を編みだすべく研究を重ね、学校の購買で、現在も演奏に使用されているなめらかな金属の棒と出会う。
その少年は、ジョセフ・ケクク。

彼の発展させた演奏法は、ハワイアン・スティール・ギターと呼ばれた。
(※スティール・ギターの奏法発見については、諸説あって、ギターの上にナイフかフォークを落として発見したとか、いきなり、櫛を滑らした説とか、、、ここでは、このCDのライナーによる記述を紹介している。
発明者の、ジョセフ・ケクク、1885年はどの説も共通している。)

1900年初頭までにスティール・ギターは世に知られるようになり、カントリーミュージックの世界でも広がりを見せ、レコーディングやライブなど、演奏の需要は増えるが、数少なかった奏者は他の人達に技術を教えることはなく、60年代にはハワイアン・スティール・ギターの奏法は途絶えようとする。

1972年、オハイオからやってきた一人の男が、ハワイに再び、ハワイアン・スティール・ギターの奏法を持ち帰り、新らたな時代をもたらすこととなった。彼の名は、ジェリー・バード。 the”Master of Touch and Tone”と呼ばれる彼は、当時のハワイアン・スティール・ギター・ルネッサンスのリーダーであった。
そんな彼の数ある教え子の中に、グレッグ・サーディナはいた。

グレッグは、1995年にフルタイムの仕事を退職し、自らが愛した楽器と音楽に捧げる決断をした。
彼は8人のスティール・ギター・プレイヤーに声をかけ、ハワイ生まれの現代的な楽器、ハワイアン・スティール・ギターの活性化や持続に力を注ぐべく立ち上げたのがこのプロジェクトだった。

  1. Ka’ua Loku/Palolo, Casey Olsen
  2. Hoe Hoe Na Wa’a/Chicadee, Rodney Freedman
  3. Hula Breeze, Herbert Hanawahine
  4. On A Little Street In Singapore, `Iaukea Bright
  5. E Mama E, Bobby Ingano
  6. Honolulu March, Greg Sardinha
  7. Lei No Ka’iulani, Fred Lunt
  8. Alvin Isaacs’ Medley, Ed Punua
  9. Kawaihau/Hono’uli’uli March, `Iaukea Bright
  10. Moana Chimes, Herbert Hanawahine
  11. Ho’opono Slide, Bobby Ingano
  12. Tahua/Kohala Roses, Rodney Freedman
  13. Last Night In The Heart Of Paradise, Casey Olsen
  14. No Ke Aha, Fred Lunt
  15. Yellow Bird, Greg Sardinha
  16. Hawai’i Pono’i, Greg Sardinha

同プロジェクトによるThe Waikiki Steel Guitar Festivalは、2009年から、 The Waikiki Steel Guitar Weekとしては、2016年から、毎年、7月にワイキキのロイヤル・ハワイアン・センターで開催されている。

このCD、Amazon等のショッピングサイトにもほぼ見当たらないが、現在はここで取り扱いがあるみたい。
グレッグ・サーディナのレーベル Keala Records

文末で、ショックな出来事をご報告!

もう1枚、ハワイアン・スチール・ギター関連のCDを紹介しようと、引っ張り出してきたこのCD 。

Made in Hawaii The Hawaiian Steel Guitar

こんなにジャケットの雰囲気も違うのに、収録曲、ライナーノーツともに、まんま一緒の代物でした。

何十年も持っていたのに、全然気づいてなかったという、、、ガックシ!