マウナルアは1993年に結成された男性トリオ。
このグループ名は、彼らがレギュラー出演していたハワイ・カイのロイズ・レストランの後ろにある山の名前にちなんで名付けられたという。
リズムギターとスラックキーギター、そしてファルセット・ヴォーカルも担当するボビー・モデロウJr.は伝説のレイモンド・カネの元でスラック・キー・ギターを習い、後に、マカナの最初のスラック・キー・ギターの師匠となった人物でもある。
カヒ・カオナヒはベースとボーカル担当。カヒは数多くのローカル・グループやハラウで演奏し、米国メインランドや日本にも旅をし、ハワイの音楽を広めてきた。バンドにモダンなテイストを導入するため、敢えてエレクトリック・ベースを多用する。
ブルース・スペンサーはウクレレとボーカル。彼はローカルのハーモニーを数多くマスターし、グループのサウンドにしっかりとした基盤をもたらしている。
3人それぞれが強力なボーカリストであるこのグループは、モデロウJr.のファルセットとスラックキーギターを中心としたタイトなハーモニーが強みとなっている。
彼らは2000年のデビュー・アルバム「モアナルア」で、ナホク・アウォーズで、「ハワイアン・アルバム・オヴ・ジ・イヤー」を獲得、2003年には、セカンド・アルバム「クレアナ」で「グループ・オヴ・ジ・イヤー」と「フェイヴァリット・エンターテイナー・オヴ・ジ・イヤー」を、2007年の「ホオカナカ」でも「グループ・オヴ・ジ・イヤー」を獲得している。
しかし、この後、2009年に、オリジナル・メンバーだったウクレレのブルース・スペンサーが脱退する事になり、新しいヴォーカル・ギタリスト・ウクレレプレーヤーのリチャード・ギデオンが加入し、それまでの輝かしい軌跡を引き継ぎ、あたらしい「進化系」へとアップ・グレードさせている。
マウナルアは、先駆者たちのミュージシャンたちのエネルギーとスピリットを受け継ぎながらハワイの音楽を伝統的なスタイルで演奏し、しかも、ライブの曲間で披露されるMCは、とてもフレンドリーでウィットに富んでいて、オーディエンスを巻き込んだ「オハナ(家族)感」も、彼らの大きな魅力の一つとなっている。
このデビュー・アルバム「マウナルア」では、伝統的なハワイアンに軸足を置きつつも、自分たちなりの解釈でのアレンジやアンサンブルが聞き所。
何故か、C,S,N & Yの名曲「ティーチ・ユア・チルドレン」のカバーが演奏されていて、独特のハワイアン・フォークな世界を聴かせてくれているのもこのアルバムのハイライトの一つ。