C&Kのセシリオ・ロドリゲスがプロデュースしたハワイアン・デュオ、ジョン&ランディーの名盤。
彼らにとっては2ndアルバムにして最後のアルバム。
美しいヴォーカルとハーモニー、キャッチーなフルート、ハーモニカ、スムーズなサックス、クラシックギター、ホノルル交響楽団による本物の弦。それぞれが絶妙なバランで絡んだ、歴史に残る1枚。
オリジナルのリリースは1980年。カントリー・コンフォートのアルバムと同じくデジタル・リマスターされて”Classic Collector Series”のVol.10としてのリリースが1993年。
1981年のナホク・アウォーズでは、タイトルソング”ハワイアン・アイズ”がソング・オブ・ジ・イヤーも獲得した大ヒットとなった。
ハワイ島生まれのジョンと、モロカイ島生まれのランディはハワイ大学在学中の1974年にバンド活動を開始し、そのバンドの解散後にデュオとしての活動を始める。
プロデューサーのジョン・デ・メロのサポートを受けた時期もあったが、ハワイの有名プロモーターだったジョン・F・レナードと手を組むことになり、ハワイでコンサートをするジャクソンズ、ケニー・ロギンス、タワー・オブ・パワーといった大物アーティストたちの前座も数多く集めた。
このアルバムの、もう一つの名曲”ハワイアン・ソウル”は、1977年に海で消息を絶ったミュージシャンでハワイ民族活動家でもあったジョージ・ヘルムとキモ・ミッチェルのために書かれた鎮魂歌。
1982年にグループが解散して以降、ライブは望めない。
ジョン・オソリオは今日、教育者、歴史家、そしてハワイアン研究の専門家であり、母校ハワイ大学で教鞭をとっている。
ランディー・ボーデンは太平洋岸北西部に移住し、ときたまライブをしているようだ。
ところで、この”Classic Collector Series”やアルバム“A Place Called Hawaii”などをリリースしているHana Ola RecordsはCard Internationalというハワイの名盤を復刻させるために情熱を注いでいる出版社で、お暇なときにでもここのリリースリストを見ると興味深い名盤に出会えるかもしれない。