Glen Grant’s Chicken Skin Tales, 49 Favorite Ghost Stories from Hawai’i (1998, Mutual Publishing LLC)

グレン・グラント(1947-2003)は、ハワイの歴史家、作家、民俗学者。
彼は主に、ハワイのネイティブたちに語り継がれた民話や神話、移民たちによって「輸入」された超自然な物語(民間伝承の怪談など)のコレクションであるオバケファイルやこのチキンスキンシリーズでよく知られていた。

グレンは、ハワイの人口を構成する多様なさまざまな民族のあらゆる文化的信念・価値観を、これらの「怪談」を通じて丁重に読み解いていた。

このチキンスキンテイルズは、そんな中でも、グレングラントの49のお気に入りの「チキンスキン」ストーリーのコレクション。 スピリッツ、ポルターガイスト、火の玉、その他「夜に出くわす」奇妙な存在、約25年にわたって収集してきたハワイの超自然的な伝統・物語の集大成。
サンディー・ビーチ、ワイメア・バレー、カフク、エヴァ・ビーチ、、、実際に存在する地名などとともに語られる物語たちは妙な存在感すら持っている。

ちなみに「チキンスキン」なる単語。
ハワイでは、とてもポピュラーな単語で、「鳥肌」のことをさすが、これ、ハワイ以外では通用しないピジン・イングリッシュ。この言葉を発明したのが日系移民であること、想像に難くない。

ミュージックシーンでも、パヒヌイ・ファミリーなどハワイアン・ミュージックと出会い衝撃を受けたギタリスト、ライ・クーダーが作り上げたアルバムのタイトルも「チキンスキン・ミュージック」=「鳥肌モノの音楽」だった。

彼のチキンスキンシリーズは、本、テープ、テレビ、ラジオ、ダウンタウンでのウォーキングツアーなど、ローカルのみならず、ツーリストたちにも、幅広く人気のコンテンツだった。