厳密な意味で、これはアイランド・ミュージックか?と問われれば、そうではないのかもしれない。
(まぁ、アイランド・ミュージックをどう定義するかにもよるのだろうが、、、)
このアラン・トーマスにはハワイアンの血は一滴も入っていない。
なので、カメハメハ・スクールズ的定義ではハワイアンではない。
ただ、1983年にカウアイ島に住み始めて、37年も定住しているという事実。
歌詞に散りばめられたアイランド・ライフ感、サウンドからにじみ出るレイドバック感、なんか色々ひっくるめてハワイの人という括りで良いと思わせられてしまうのだ。
そんな訳で、わたくしの個人的な認定により、このアルバムをアイランド・ミュージックとして紹介することに決定w。
アラン・トーマスは、ニューヨークに生まれ、12歳でドゥ・ワップ・グループに参加したのを発端に音楽を始め、10代のうちにギターの腕も上げていたようで、18歳にして、レコーディング契約を交わしてデビュー。
グリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウスなどで活動するが、ギターを引っさげて西海岸へむかい、71年には自らの名義でアルバムデビューする。
10年余、カリフォルニアをメインにサポートミュージシャンやソング・ライターとして活動するが、紆余曲折を経て1983年にはカウアイへ移住を決意した。
環境が変わったアランは、これまで長年に亘って経験し、吸収してきたジャズ、ブルース、R&B、ラテンなどの要素をブレンドしたソロアルバムの制作を始めた。
そして、自ら設立したレーベル、Black Bamboo Recordsからリリースしたのが、このアルバム”The Island”だった。
このリラックスしたフュージョン的なサウンドは、ハワイアンAORの一翼を担う1枚と言っていいだろう。
ミュージシャンとして、何年にも亘って慌ただしく世界中を旅してきたアランはついに、カウアイ島のノースショア、ハエナの町に自らの安住の地を発見し、マイペースで音楽を制作し、ウインド・サーフィンやサーフィンも楽しみながらハワイライフを満喫しているようだ。