Na Leoが1984年にBrown Bag to Stardomに優勝し、プロとしての道を歩み始め、多少の休止期間は挟んだものの10枚近いアルバムをコンスタントにリリースして、見事20周年を迎えることができた。
そして、新たなる20年に向けてNa Leoの新時代に一歩を踏み出したのが、この2005年リリースの”Feel The Spirit”だ。
「女性No.1ハワイアン・トリオ」の枠を取っ払って、全米本格進出を果たした決意のアルバムとなり、ビルボード・ワールド・チャートにて初登場6位を記録した。プロデュースには、Rick Springfield、Fleetwood Mac、the Grateful Dead,、Whitesnake、Ozzy Osbourne、Santana、Pat Benatar、Heart、Foreigner、Scorpionsなど、アメリカのミュージックシーンの歴史に輝かしい足跡を残してきたレコード・プロデューサー兼サウンド・エンジニアのKeith Olsenを起用し、Na Leoらしい美しいメロディとハーモニーは重視しつつも、これまで以上に3人それぞれののソロ・ヴォーカルを意識、サウンド的にもよりロック、AORにシフトした本作は、ハワイアンの枠を完全に超越した作品。
突然の方向転換というか、大胆なチャレンジに戸惑うファンも多々出現し、ある意味問題作となった。
(Keith Olsen氏は残念ながら、2020年3月に自宅で亡くなっている。)
ヴォーカル録りはすべて、Hawaii KaiのAVEX Studiosで行われているが、オケはテキサス州オースティン、L.A.、そして、(なぜか)オランダで分散して行われている。また、Daniel Ho, Michael Ruff, Ben Vegas, Bryan Kesslerらから幅広く、楽曲提供を受けている。
気づいた人も多いかもしれないが、このアルバムを機にNa Leoのロゴも新しいものに生まれ変わっているし、ディストリビューションこそMountain Appleだが、レーベル名には”Second Twenty, Inc.”とあり、ここにも彼女たちの並々ならぬ決意を感じる1枚なのであった。