Na Leoは確かにハワイのグループなのだが、1960年代半ばに誕生した世代の人たちらしく、自分達がハワイアンであるというアイデンティティーをしっかりと持ちながらも、「今時の娘」として育った時代の音楽の栄養素をしっかりと吸収し、Na Leoサウンドの骨や筋肉として形成している。学生時代にラジオから流れた華やかなりし70年代の全米ヒットやフォーク、ロック、そして、R&Bのエッセンスをバランスよく消化してNa Leo風にアレンジされたサウンドは、どこか懐かしいが、とても新鮮でもある。そこに、無理やヒット曲への下心がないからこそ、聴く側にも非常に自然で、安心感のあるサウンドとして受け入れられるのだろう。だからこそ、これまで無理やりな伝統的ハワイアン一辺倒なアルバムを作ってこなかったのだと思う。
デビューから約20年。再活動の開始から約10年のタイミングで、あえての「ハワイアン」に真正面から向き合った作品が、この”Hawaiian Memories”。これまでは、各アルバムに1〜2曲ハワイ語で歌われるトラッドな曲が含まれてはいたが、メインとなっていたのは英語詩で歌われるコンテンポラリーな作品の数々。今回は、”Kahakuloa”, “Manu O’o”, “kona Kai O’pua”といったトラディショナルなハワイアン、カラカウア王の”Koni Au Ka Wai”、メンバーLehuaの書き下ろし”Ku’u Sweet Leo Makamae”やプロデューサーKenneth Makuakaneの”Ku’u One Hanau”や”Naui ‘O Wai’anae”といった新しい「ハワイアン」も収録されている。アルバム1枚11曲トータルで”Hawaiian Memories”なコンセプトな訳だ。
で、日本盤であるこのアルバムには2曲ボーナス・トラックが収録されていて、それが、The Wingsの”Silly Love Song”とThe Eaglesの”New Kid In Town”。
気を遣ってもらってますか?別にボーナス・トラックは無ければ無いで、よくまとまったコンセプトアルバムだなぁ〜という捉え方でめでたし!だった気もするのだが、、、
↓SpotifyはUS盤の並び