The Art of Waves (2022, Ten Speed Press)

この写真集”The Art of Waves”は、波の写真家として知られるClark Littleの驚くべき一連の作品をコレクションした一冊で、水晶のように砕ける波、ハワイの海洋生物、驚異的なドローン写真など、150枚を超える彼の画像をまとめたもの。
序文はサーフ・レジェンドのKelly Slaterが寄稿し、Jack Johnsonも推薦文を寄せている。

このコレクションには、Clarkの長きにわたって語り継がれた伝説的な写真のいくつかと、これまで本という形で出版されたことのない作品が多数含まれている。また、エッセイ、インタビュー、引用が散りばめられたページでは、Clark Littleと砕ける波の間の特別な空間について理解を深めることができる。

2022年4月5日発売のハードカバーで240ページ、サイズは26.01 x 26.16 cmと迫力あるサイズ。

現在、写真家として活躍するClark Littleは、1968年カリフォルニア州ナパで生まれ、その2年後に父親の仕事の都合でハワイ州ノースショアに移住した。彼は 6 歳の頃から熱心なサーファーで、ワイメアのショアブレイクが好きで、1980~90年代には地元ワイメアベイで、危険なショアブレイク・サーフィンのパイオニアとしてその名と才能を轟かせた。
Clark Littleは、当初から世界最高の波の写真家になることを目指したわけではなかったけれど、後から考えると、まさにこの時期は、それを目指して生涯のトレーニングを費やしたような時代といえる。

転機が訪れたのは2007年、Clarkの妻Sandyは海岸から撮影した誰かの波の写真を購入し、ベッドルームの壁に掛けたことが始まりだった。
それを見たClarkは、Amazonで購入したウォーターハウジングに安物のコンパクトカメラを入れて、家からそう遠くないワイメアの海岸に飛び込み、何枚か撮影をしてみた。結果は壮観なもので、速いシャッター速度は、肉眼で捉えるには速すぎる現象をリアルタイムに切り取っていた。波が砂を吸い上げる様子。 隆起したリップは吹きガラス細工に似ていて、ビーチの木々や海岸線が反射している。妻Sandyも大変気に入ってくれて、Clarkはこれまで培ってきたサーフィンの技術と経験、そして、何より海への情熱でカメラを手にすることを決め、美しく、そして力強いハワイのショアブレイクを撮り始めたのだ。

ここで注目すべきはClaekの父の存在。彼の父がプナホウ・スクールやハワイ大学で写真や30年以上に亘り、芸術の授業を受け持っていたこともあり、週末をよく父と過ごしていたClarkは無意識のうちに優れた写真構図のすべての原則を身につけてしまっていたようだ。
Clarkの作品は、ノースショアに暮らすサーファー達を中心に徐々に評判となってゆき、いつしか機材をアップグレードして、仕事として写真を撮るようになり、早くも2009年にはイギリスの通信社から写真使用のオファーがくると、翌朝、”Good Morning America”、”The Today Show”、”Inside Edition”など全米ネットのテレビ番組への出演依頼を含む700 通以上の電子メールを受け取っていたという。 1 年以内に、Clarkはワヒアワ・ボタニカル・ガーデンの監督職を辞任し、フルタイムで写真撮影に専念することとなったのだ。

彼の写真はHewlett-Packard (HP)やNikonの広告やナショナル・ジオグラフィック誌、ニューヨークタイムズにも掲載され、 ワシントンDCのスミソニアン博物館にも作品が展示されるなど、サーフ界の外へも拡大している。
2010年カリフォルニア州のラグーナビーチ、そして2011年ハワイのノースショアにクラーク・リトル ギャラリーが2店舗オープンしている。

この記事で使用した画像は上記のAmazonの商品ページの「試し読み」ページのスクリーンショットを使用しています。この「試し読み」サービスでは、ほとんどすべてのページを閲覧できます。現物の写真集の迫力には敵いませんが、、、(追記:「試し読み」サービスは携帯では利用できないかもです。)