Barry FlanaganとKeli’i Kaneali’iによって結成されたHAPAは、1992年セルフタイトルのアルバムでデビュー。
1997年までの5年間で、クリスマスアルバムを含む4枚のアルバムを発表。
2005年に発表されたのが、Nathan Aweauを新メンバーに迎えて第2期のスタートを飾ったのがこの”Maui”。
Nathanの参加が2003年と言われているので、2年近くこのアルバムの制作に費やした計算になる。
“…a soundtrack for 21st century Polynesia, where native art, history and music are pulled together by the powerful force of Maui.”「伝説のハワイアン・スーパーマン、マウイのパワフルなフォースによって、ネイティヴ・アート、歴史、音楽が呼び寄せられた21世紀のポリネシアのサウンドトラック」とい説明がジャケットに記されているが、全10面にわたって展開されるジャケットのうち、5面を使用して展開されたハワイにまつわる伝説、神話の壮大な壁画のようなイラスト、神話にまつわる古代の人々のイラストと共に、各曲解説などが盛り込まれたジャケットデザイン。
結構、随所にBarryのギターとNathanのベースのバトルが繰り広げられ、曲によってはラップに近いニュアンスも感じる盟友Charles Kaupuのチャントなんかもさりげに配置して、この圧倒的なビジュアルと相変わらずチャレンジャーなサウンドが一体となって構成された野心的なコンセプトアルバムだ。
この新生HAPAのリスタートとなった”Maui”は、Na Hoku Hanohano Awardsで”Album of the Year”、 “Contemporary Hawaiian Album”、”Graphics”の3部門で受賞し、衰えを知らぬその存在感を証明することとなった。