Born & Raised (1996, Recochet Records)

Fijiはその名の通り、フィージー出身のヴォーカリスト、ソングライター、プロデューサーで、後には俳優も勤める。

Fijiは、本名をGeorge Brooks Veikosoといい、1970年生まれ。
十代半ば、フィージーでクーデターが勃発したために、ハワイへ移住。
幼い頃から歌うことが好きだったFijiは、親戚の音楽関係者の後押しもあり、プロへの道を進むことが可能となった。

Fijiは、アイランド・レゲエのアーティストとして括られることも多いのだが、彼の生まれ持ったソウルフルな歌声は、アイランドR&B、もしくは、アイランド・ヒップホップともよばれ、ときにジャズやクラシックなレゲエのテイストも取り入れながら構築した独特のスタイルはFijiのオリジナルな音楽スタイルを際立たせている。

1994年のアルバムデビュー”Evolution”に続く、セカンドが、この”Born & Raised”。
「生まれ育ち」というタイトル通り、フィジーを思わせるポリネシアンなチャントで幕を開け、しっかりとハワイのテイストを捉えた曲もある。このアルバムでは、プロデューサー、キーボーディストのMichael Grandeを相方に迎えて、収録曲の大半を制作しているが、80sの大ヒット、Michael Fortunatiの”Into The Night”や、Dorothy MooreやEtta Jamesで知られるR&Bの名曲”Misty Blue”をさらっとカヴァーしてみたりして、なかなかキャパシティーの大きなことを証明してみせたりもしている。

この作品により、1998年には、ナ・ホク・ハノハノ・アウォーズで”Male Vocalist of the year”と”Entertainer of the year”を受賞し、ポリネシア系のファンの間で地位を確実なものとし、より幅広い聴衆に彼の名前は知られることとなった。そして、Fijiはハワイの枠を超えて、ポリネシアを代表するアーティストの1人としてのステイタスも築いてゆく。

Fijiは、Gladys Knight, Aaron Neville, Ziggy Marley, Steel Pulse, Maxi Priestそして、 Inner Circleなど、数多くのアーティストたちとの共演を果たしている。

  1. Chant Of The Islands
  2. Sharin’ The Night
  3. Sweet Darlin’
  4. Misty Blue
  5. Naughty Girl
  6. Into The Night
  7. Lei Andi
  8. Stone Cold
  9. Love
  10. Ku’u Aloha
  11. Lā‘ie Boy
  12. Nothing Comes To Sleepers

50曲入りベストアルバム。太っ腹!!

アルバム中、一番ハワイアンっぽい曲