今からちょうど10年前の2011年。オアフ島リーワード・サイド、コオリナ・リゾート内にディズニーがテーマパークとホテルを合体させた巨大施設”Aulani, Disney Resort & Spa”をオープンさせた。
勿論、ミッキーやミニーといった主要メンバーが施設内にいて、ゲストをもてなしてくれるのだが、これまで”Lilo & Stitch”や”Moana”といった作品で、ハワイ及びポリネシア文化を題材にしてきたディズニーが、他のディズニー・リゾートとは一線を画したユニークな施設になっているという。
まず、すべてのゲストがアサインするマカアラ・ロビーでは、ゲストがそこに足を踏み入れた瞬間から、ハワイの文化、伝統、音楽、芸術の紹介を始めるように設計されている。200フィートを超えるロビーの壁面には、ハワイの伝統的な生活を象徴するかのような建物が再現され、陸、海、空の3つの領域が象徴的にディスプレイされていたりする。
そして、そこに常に流れているのが、このケアリイ・レイシェル書下ろしによる壮大な組曲”Music Of The Maka’Ala”。このリゾートの第一印象を決定づける大切なファクターになっているという。
ケアリーは、その依頼を受けたとき、かなり慎重になったというが、ディズニー・サイドのきちんとリサーチされたプラン、ハワイの土地と文化に対する敬意を感じ取って、参加することに踏み切ったという。
これらの楽曲、チャントにはコオリナの地域に存在する地名や風の名前が盛り込まれている。また、この作品を共同プロデュースしたMark Mancinaは、「ライオン・キング」、「スピード」、「ターザン」をはじめ、数多くの映画音楽を手掛け、そして、この後には「モアナと伝説の海」の楽曲プロデュースを手掛けた人物である。
一見、このアルバムの収録楽曲は5曲と、物足りない感じに見えるかもしれないが、5曲目の”The Journey”は厳かなチャントから始まる28分超の壮大な組曲である。この組曲の組み上がり方がいかにもディズニー的なところにも妙な納得感がある。