カレオ・ヴァイ。
ローカルボーイで、ロングボード・サーファーで、シンガー&ソング・ライター、ギターも弾くけど、ウクレレ・メインのシンガー。と書くと、ジャスティンとかジョン・クルーズよりのちょっとフォーキーなサウンドを思い浮かべるかもしれないが、彼のサウンドは結構、ボサノヴァ寄りなのだ。彼自身、自らの音楽性をハワイアンとR&Bとブラジリアン・サウンドをフュージョンした新しいタイプのアイランド・ミュージックと位置づけている。基本形はウクレレでの弾き語り。で、ファンキーなアコースティック系のリズムにメローなメロディーがのったそのサウンドは、むしろ、Jack Johnson方向に近く、往年のフリーソウル・ファンも納得&満足するグルーヴさえ感じさせてくれる。
彼が影響を受けたミュージシャンとして、John Legend, Jamie Cullum, Kalapana, C&K, Antonio Carlos Jobim, Joao Gilbertoらを上げているのも、そのサウンドを聞いたあとでは十分に納得の行くものである。
カレオ・ヴァイは、オアフ島出身であろうと予想されるが、年齢などは公表されていない。フィリピン系3世で、普段は不動産関係のブローカーなどをしているという。
10歳の誕生日にウォルマートで、$8のセールのウクレレを両親に買ってもらったのが初めてのウクレレで、現在はコオラウ・ウクレレをメインに愛用中。
彼のハワイアン・ネーム「カレオ」の名付け親は、友人であるナ・レオのレフアで、フルの名前は、Kaleowaiʻoluhoʻolaʻikanaʻauだそうだ。分解すると、Kaleo=「声/音」、waiʻolu=「流れる新鮮な水」、hoʻolaʻi =「平和をもたらすための平安な状態」、kanaʻau=「ハワイの人々が魂が住んでいると信じていた体の場所、腸」で、「魂をやすらかにする優しい水の音」という意味になるという。レフアは、この名前を2週間もかけて、考えてくれたそうだ。
デビューは、2008年のシングル”Aloha Monday”。
それから5年を経て、2013年にリリースされた初のフルアルバムが、この”Overhead”だ。
僕は、(多分)2013年のマウイ滞在時に、テレビかラジオでたまたま彼の曲を初めて耳にして衝撃を受け、その場でググって、アルバムを即行ダウンロード購入したと記憶している。
「とはいえ、いわゆるアイランドミュージックでしょ!?」なんて、舐めてかかると1曲めの”Overhead”のイントロでヤラれることになると、予告しておこう。
CDの取り扱いはない