(1980/2011 Creole Stream Music)

ハワイAORな1枚。
ハワイ出身としか情報のないこのロブ・メールなる人物が、ジェリー・リンピックなる人物にプロデュース、アレンジをお願いして作り上げたのがロブにとってのデビュー・ソロアルバムで、オリジナルは1980年にリリースされている。
LAでレコーディングされた、そのアルバムは、限定枚数のみプレスされた事でマニアの間で幻のAORの名盤として高値で取引されていたらしい。本作は、そのアルバムが2011年に日本で世界初CD化されたもの。
以前に紹介した“BABADU!”と同じような立ち位置のレア盤。

プロデューサーのジェリー・リンピックは、コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック・シーンでは、名の通った人らしく、そう思えばこの健全なサウンド構築もうなずける。
クリスチャン・ミュージックというのは、日本ではあまり認識されていないが、ひたすら神(キリスト)をたたえる歌に特化したジャンルで、とはいえ、サウンドの方向性は様々。カントリー風もあれば、時になライトなメタル風のものもあったり、このアルバムのように耳あたりの良いAOR風だったりもする。アメリカで遅い時間にぼーっと何を見るでもなくテレビをつけていると、クリスチャン・ミュージックのアルバム5枚組のボックス・セットとかの通販CMが流れてくる。

このアルバムは、全編とおして「ゴッド」「ロード」「ジーザス」が登場するわけではないが、そう思って聞いていると#5あたりを筆頭に、それらしきテイストを感じさせないでもない。

まぁ、とにかく本作は、80年代のロスの空気を漂わせる見事なウエスト・コースト~AORサウンドに仕上がっているが、これ以降の彼の作品はアコースティックで、むしろフォーキーな作風だそうだ。

  1. House on the Rock
  2. Overboard
  3. Love Somebody
  4. Be Gentle
  5. Laurie’s Song
  6. Waterfall
  7. Ordinary Man
  8. Daddy’s hands
  9. Taste And See
  10. Goodnight

アルバムを通して聞きたい方はこちらからどうぞ