Heaven On Earth (1999, Videoarts Music)

アーティスト名のジェナイは、ヴォーカリストの名前であり、そのジェナイがオリバー・ウェンデルというプロデューサー、アレンジャー、であり多様な楽器のプレイヤーでもあるパートナーと活動する際のユニット名でもある。

ジェナイは、アフリカン・アメリカン、ハワイアン、チェロキー、アイルランド、そしてフランスという様々な血統を祖先に持ち、シカゴ生まれのハワイ育ちという、ある意味、ハワイらしいバックグラウンドの女性で、オリバーは同じくシカゴの出身でLAを中心に幅広く活躍しているミュージシャンのようだ。

そんな2人のユニットとしての第一作が日本で「先行発売」されたのが本作。
同年にUK盤がリリースされているのだが、アメリカ、及びハワイでリリースされたというデータが出てこない。
その後の作品も、ヴィデオアーツからのリリースが中心で、日本発の可能性もなくはない。

サウンド的にハワイ臭は皆無。収録されている11曲中6曲がカヴァーで、TOTOの「アフリカ」#2、TOTOつながりで、スティーヴ・ポーカロがマイケル・ジャクソンに提供した「スリラー」収録の名曲「ヒューマン・ネイチャー」#10、キャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」#8、アンブロージアの「ビッゲスト・パート・オヴ・ミー」#6など、耳馴染みの良い楽曲を揃えたおしゃれ路線の佳作。

ハワイであるとか、ないとかの判断基準を超えた、なかなか良質な1枚。
知り合いの飲み屋でかかっていたら、「これ誰?」って尋ねるであろう、そんなフックを持つ油断大敵な作品である。

  1. Heaven On Earth
  2. Africa
  3. Temperamental Winds
  4. Runaway
  5. Brazil
  6. The Biggest Part Of Me
  7. Some Day Out There
  8. It’s Too Late
  9. Wouldn’t You
  10. Human Nature
  11. Pretend