アーティスト名のジェナイは、ヴォーカリストの名前であり、そのジェナイがオリバー・ウェンデルというプロデューサー、アレンジャー、であり多様な楽器のプレイヤーでもあるパートナーと活動する際のユニット名でもある。
ジェナイは、アフリカン・アメリカン、ハワイアン、チェロキー、アイルランド、そしてフランスという様々な血統を祖先に持ち、シカゴ生まれのハワイ育ちという、ある意味、ハワイらしいバックグラウンドの女性で、オリバーは同じくシカゴの出身でLAを中心に幅広く活躍しているミュージシャンのようだ。
そんな2人のユニットとしての第一作が日本で「先行発売」されたのが本作。
同年にUK盤がリリースされているのだが、アメリカ、及びハワイでリリースされたというデータが出てこない。
その後の作品も、ヴィデオアーツからのリリースが中心で、日本発の可能性もなくはない。
サウンド的にハワイ臭は皆無。収録されている11曲中6曲がカヴァーで、TOTOの「アフリカ」#2、TOTOつながりで、スティーヴ・ポーカロがマイケル・ジャクソンに提供した「スリラー」収録の名曲「ヒューマン・ネイチャー」#10、キャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」#8、アンブロージアの「ビッゲスト・パート・オヴ・ミー」#6など、耳馴染みの良い楽曲を揃えたおしゃれ路線の佳作。
ハワイであるとか、ないとかの判断基準を超えた、なかなか良質な1枚。
知り合いの飲み屋でかかっていたら、「これ誰?」って尋ねるであろう、そんなフックを持つ油断大敵な作品である。
- Heaven On Earth
- Africa
- Temperamental Winds
- Runaway
- Brazil
- The Biggest Part Of Me
- Some Day Out There
- It’s Too Late
- Wouldn’t You
- Human Nature
- Pretend