Local Boy (2003, Hachama)

無くしたと思った音源が出てくると嬉しいもので、このジャスティンのCDは今日久々にその存在が確認できた、そんな1枚。
このアルバムは、日本向けに、これまでに発表されていたジャスティン自身の4枚(ベストを含めば5枚)のアルバムから選曲された編集盤。

ディストリビューションはポニーキャニオンであるものの、なんと発売元はHachama!!!
Hachamaといえば、アップフロント・エージェンシーが2001年に設立したレーベル兼レコード会社で、モーニング娘。、ハロー!プロジェクト、シャ乱Qといったアーティストたちの音源をリリースしていた自社レーベルZETIMA傘下の会社。アンジュルムやJuice=Juiceなど女性アイドルたちが主な稼ぎ頭なはず。

しかし、突然にこのHachamaレーベルから、「都会生活の中にリゾートの香りを届けるパシフィックヘヴンレーベル」としてハワイ関連アルバムを2002年頃からリリースしはじめたのだ。
何枚かの独自企画アルバムの他、ヘンリー・カポノ、ダニエル・ホー、ヴァイヒ、カヴィカ、カニラウ、日本人アーティストのテミヤンらのソロ・アルバムをリリース、そして、そんなラインナップの中に「ジャスティン」としてジャスティン・ヤングの日本デビュー盤もあった。
表向きなプロデューサーはこのシリーズのジャケットも手掛けたイラストレーターのHilo Kume氏。
しかし、実質的に取り仕切った仕掛け人はエグゼクティヴ・プロデューサーにクレジットされている山崎直樹氏だ。

1990年代にモーニング娘。を筆頭に、一連のハロープロジェクト関連やシャ乱Qなどでひと時代を築いたアップフロント・グループは、カハラに豪邸を購入し、テレビ番組を絡めてその豪邸などでロケを行ったり、日本からモーニング娘のファンクラブツアーを企画して、カピオラニパーク内のワイキキ・シェルでワンマンコンサートを行ったり、アップフロント・ハワイを設立し、ロイヤル・ハワイアン・センター内にモー娘。関連のアーティスト・グッズを取り扱うお店を出店したりと、かなりハワイに投資をしていたそんな時代の「旗振り役」がアップフロントエージェンシーの会長、山崎氏そのひとだったのだ。そんな一連のハワイ事業のプロジェクトの一つがこの「パシフィックヘヴン・レーベル」だった。

この後のエイベックスもそうだが、日本のエンターテインメント業界で一発当てると、ハワイ・コンテンツに手を出してしまうのは偶然の産物なのだろうか?

ともあれ、この「パシフィックヘヴン」の忘れ形見は、アップフロント・グループの本社のあるビルの1Fにあるイヴェント・ホールの名前としてひっそりと現存している。
かつては、ハワイアンの流れるおしゃれなカフェ・レストランだったのだが、、、

Local Boy / Justin

01. Crazy Love
02. This Local Boy
03. Windward Side
04. Ikona
05. Aloha Spirit
06. Leaving On A Jet Plane
07. Never Forget Where I’m From
08. Hawaiian Music Will Tickle Your Feet
09. Islands In My Mind
10. E Kailua E
11. I Still Love You
12. Pau’oa Liko Ka Lehua
13. Ka Wai Ola
14. The Dreaming Kind