Hawaiian Slack Key Kings(2006, Rhythm & Roots Records)

スラック・キー(ハワイ語では、キ・ホアル)と呼ばれるギターの奏法は、ハワイ独自の演奏スタイルで、所謂、オープンチューニングを個々のプレイヤーが独自に作り上げ、オリジナルのピッキングで演奏する。
以前読んだなにかの本では、2000を超えるチューニングがあると書いてあった気がするが、確かめるすべもない。

若いアーティストが、独自のセンスで生み出した新しいチューニングもあれば、代々、その家系に伝わる一子相伝のチューニングや奏法もあるらしく、ライブで演奏するときは客席に背を向けてプレイするなどという話も聞いたことがある。

そういう意味では、その始まりから180年を超える(と言われる)歴史を刻む今でも、現在進行系のプレイスタイルと行っていいのだろう。

そういった意味でも、このアルバムには、年齢的にも、エリア的にも、プレイスタイル的にも幅広くアーティストが網羅されている。
スラック・キー・レジェンドのレッドワード・カアパナにはじまり、カウアイ、マウイ、そしてタヒチのアーティストに加え13曲めには、あのジャック・ジョンソン、そして、15曲目のダニー・カヴァルホは(当時)プナホウ・スクールに通う15歳だそう。
プロデューサのミルトン・ラウ自身も14歳の娘、エリンの為に書き下ろしたオリジナルを11曲めに収録しているといった具合。

15曲中、#8, #10, #12を除く12曲はオリジナルが提供されている。

先に紹介した”CD: Island Style Ukulele”同様に、ライナーノーツには、各アーティストのチューニング
例えば:#2のデヴィッド・カヒアポは、C-G-D-G-B-D (capo on 2nd fret)といった具合にマニア心を押さえた記載も。

  1. Na Po’o Ka La – Makana
  2. Pukalani – David “Kawlka” Kahiapo
  3. Lokelani’s Lullabye – Dwight Kanae
  4. Jubilation – David Kamakahi/Dennis Kamakahi
  5. Sacred Ground – Florent Atem
  6. Kekaha Chimes – Paul Togioka
  7. Sepania Slack – Michael Kaawa
  8. Maori Brown Eyes – Glen Smith
  9. Maunalua Jam – Ikaika Brown/Kevin Brown
  10. Nani Wale Lihue/Ke Honi – Albert Ronnie Kaai
  11. Song for Erin – Milton Lau
  12. Sanoe – Bobby Moderow
  13. Better Together – Jack Johnson
  14. Pau Pilikia – Ledward Kaapana
  15. Song for Allie – Danny Carvalho