「人種のメルティング・ポット」「カルチャーのサラダボウル」いろんな表現の仕方はあるけれど、まぁ、ハワイという土地には世界中の衣食住が持ち込まれ、それぞれの出身国の作法で楽ちんなふうに生きている。
日系人がいれば、華僑もいるし、ヨーロッパからの移民もいれば、メインランドから片道切符でやってくるホームレスな輩もいる。
そんな多種多様な人たちが隣り合わせて生きていくから、音楽にせよ、食事にせよ、どんな味付けでどんな風に吸収するかは、その人個人のの文化的なバックボーン次第。まぁ、そんな風になんでもアリが許されるのがハワイの寛容な許容力だったりするわけだが、まさにそこを改めて実感させられるのがこのアルバム。
そもそもサルサって、プエルトリコとかキューバといった中米の音楽が、ニューヨークへと北上し、ジャズとミックスされて洗練された都市型の音楽へとトランスフォームしたわけだが、そんなオサレな音楽がホノルル・ダウンタウンあたりの「クラブ」へ侵食してこない訳もなく。
ハワイに流れ着いたハワイ在住のプエルトリコ人たちによるグループだったり、アメリカ中から入れ替わり立ち替わりさまざまな人種が配属される米軍基地でラテン系の軍人たちによって結成されたバンドがあったり、この当時活躍しているハワイのラティーノ・バンド6組が、そのヴァリエーションを聴かせてくれる15曲収録のこの1枚。
その昔、プエルトリコ系移民が演奏するクラーベの音を聴いた日系人によって「カチカチ」と名付けられたほど、意外とロコレベルでは人気のハワイ産ラテン・サウンド。所謂ハワイアンというカテゴリーの音楽ではないけれど、ハワイに実在する音楽ジャンルの一つではある。
ジャマイカ発のジャワイアンが瞬く間に、アイランド・レゲエとなって定番化したように、南国音楽に底流する楽しさ、陽気さ、お気楽さの要素をもったプエルトリカン・サルサが一部で熱狂的に受け入れられていたとしても何の不思議もない。
どの曲もカラフルなサルサに、ゆる~いグルーヴが加わった、むしろ、これぞ究極のトロピカル・ミュージック!といった趣。
- Salsa – Rolando Sanchez and Salsa Hawaii
- Pegaito – Rolando Sanchez and Salsa Hawaii
- Buche y Pluma – Second Time Around
- Serenata de el Coqui – Latin Fire
- Boribuas en Hawaii – Grupo Lelolai
- Descarga Salsa Hawai – Rolando Sanchez and Salsa Hawaii
- Mi Corazon Te Llama – SalsAloha
- Guaguanco Boricua – SalsAloha
- Historia de un Amor – SalsAloha
- Le Lo Lai – Grupo Lelolai
- Anoranzas – Grupo Lelolai
- La Faena – Latin Fire
- La Borinque Rap – “El Leo” The Jarican Express
- Bailando Merengue – Rolando Sanchez and Salsa Hawaii
- Salsa (Latin House Mix) (BONUS TRACK)