MAKANAにとって5作目となるフルアルバム。
MAKANAといえば、若手スラック・キー・ギター界の超新星的な取り扱われ方をするケースが多かったが、ここにきて彼は、スラック・キー・ギターとかそんな狭小なジャンルを超越してインストルメンタル・ギターという広大な世界で自由なスタイルのギタープレイヤーとしての立ち位置を手に入れてしまった様だ。
ヴォーカル力にも定評のあった彼だが、このアルバムではヴォーカルを封印して、全てインストゥルメンタルで、かつ、オーヴァーダブなしのギター一本だけで各トラックをレコーディングしている。
確かに彼のルーツはハワイアン・スラック・キー・ギターなのだが、 その幹から派生した枝葉は、ブルーグラス、クラシック、ブルース、ラガ、フラメンコ、ロックなどと配合を繰り返してMAKANA独自な完全にオリジナルの色合いを生み出している。
このアルバムは、ハワイアン・スラック・キー・ギターは彼のコアとなるスタイルの1つではあるのだが、彼は既存のギタープレイのスタイルを一通り吸収した上で、さらにニューエイジやアンビエント、トランスの要素までもを表現できるというアコースティックギター演奏の可能性を証明するMAKANAの声明発表なのだと思う。