Henry自身が書いた本作のライナーによると、数年前から音楽の新しい方向性を模索しているときに、これまであまり対峙してこなかったハワイ人としての自分と出会い、その事実を率直に受け入れて、両親から教わった”ALOHA”の大切さや、かつては、公の場所での使用を禁じられていたハワイ語の美しさ、自らが育ってきた自然環境の素晴らしさ、、、そんな事実に、今更ながらに気付かされた。、そして、あるがままのハワイ人としての自分の「素」の状態で、メッセージ性、ストーリー、歌の持つ意味合いが強いハワイアン・ミュージックの曲を手作業で集め、”Hawaii Aloha”, “Na Makua”, “Taboo”の３曲を書き下ろした。
そこには、西海岸風だったり、アメリカンミュージックのシンガー＆ソングライター的なニュアンスは持ち込まれていない。
Henryにとって、これまでの30年を超える長いキャリアの中で初めて、全編ハワイに特化したアルバムとなったのが、この”The Wild Hawaiian”というわけだ。
このアルバムタイトル、The Wild Hawaiianとは、「野生のハワイアン」という意味ではなく、あるがままで、生粋のハワイ人であるという自分自身への強いプライドが込められた意味合いで名付けられたものだと感じられる。