スラック・キー・ギター界のレジェンド、Ray Kane氏の奥さんである、Elodiaさんの遅ればせながらの初ソロ・アルバム。
すべての楽曲のアレンジと演奏は、Rayさんの愛弟子、山内雄喜氏が担当している。
Elodiaさんは、これまでにもHawaii Public Radioを始めとする、いくつかのメディアや、Rayさんも契約していたDancing Cat Labelにもレコーディング作品は残していたようだが、実際にこうしてリリースされたのは本作が初めてで、彼女にとって記念すべき初ソロ・デビュー・アルバムとなった。
幼い頃から、教会の聖歌隊で歌い続けてきたというElodiaさんの歌声は、伸びやかでゆったりとした、とても安定感のあるもの。Elodiaさんの歌声は、Rayさんのステージでも、欠かすことのできない物となっていたが、この歌声こそが2人を引き寄せた大きなきっかけとなったのも素敵なお話だ。
3曲め、”‘Ekolu Mea Nui”では、Rayさんとのデュエットを聴くこともできる。
このElodiaさんの歌声をきっかけとした2人の出会いに関しては、ライナーノーツにでも触れられているが、先に紹介したブルース・インターアクションズ刊の”Sounds Of Hawaii, Hawaiian Music Guide“の中で文筆家で編集者の今井栄一氏が、ナナクリのRay Kaneさん宅で、直接Elodiaさんから聞いたというエピソードのニュアンスが微笑ましい。
収録曲は全て彼女自身のセレクトによるもので、音楽好きな彼女が若いころから親しんで口ずさんできた楽曲ばかり。また、彼女はこのアルバムに”Cherish the mele of our kupuna”〜祖先や先人たちから歌い継がれてきた音楽を慈しみましょう〜といった気持ちを込めている。
- Across the Sea
- Beautiful Kahana
- `Ekolu Mea Nui
- E Maliu Mai
- Ho`onanea
- Imai Au Ia Oe
- Kuu Ipo I Ka Hee Pue One
- Makalapua
- Old Plantation
- Pua O Kamakahala
- Pua Lilia
- A Song of Old Hawai`i
- Na Kuhio Mai