E Lili’u (1995, Kealia Farms Records)

12弦ギターによるスラック・キー・ギターの涼しいような、切ないような響きは、紛うことなくGoerge Kahumoku, Jr. のトレードマーク。
ハワイ島コナ生まれではあるが、マウイ島に永く暮らすGeorge Kahumoku, Jr.は、毎週水曜日にマウイ島Napili Kai Beach Resortで開催されるthe SLACK KEY SHOWのホストを務め、このライヴの様子を収録したDaniel Hoのプロデュースによる” Legends Of Hawaiian Slack Key Guitar — Live From Maui“で2007年のGrammy Award for Best Hawaiian Music Albumを獲得している(このアルバムの収録は、当時の開催場所だったカパルアのリッツ・カールトンだった)。

Georgeは、マウイ島北部のHonokohauで暮らしながら、ギタリストを含めた音楽活動と並行して、Lahaina Luna High Schoolで長年に亘り教鞭も取る一方、タロイモ農家や古代ハワイから伝わる独自の農法やカヌー製作が学べるKahumoku Family Farm Tourも開催している。
また、ライヴの合間に聴くことのできる、彼の祖父母から聞かせてもらったというハワイの民間伝承のストーリーテリングの技量にも定評がある。この様に幅広くハワイ文化を継承し、後の世代に受継いでもらおうという姿勢が、このアルバムからも感じ取ることができる。

彼にとって7枚目となるこのアルバムは、全体を通じて「組曲」のような構成になっていて、鳥の声のSEで幕を開け、プナルウ・ビーチの波の音で幕を閉じる。
このアルバムは、かのリリウオカラニ女王に捧げられたもの。したがって、アルバムタイトルは”E Lili’u”。彼自身の作品は、このアルバムでの水先案内人のような役割に徹していて、主にリリウオカラニ女王が作曲した名曲たちを繋ぐガイド的に収録されている。

SEを除く12曲中、リリウオカラニ女王を含む王族関係の作品は9曲。

  1. Manu Maoli (SE)
  2. Queen’s Prayer By – Queen Lili’uokalani
  3. Aloha Oe (1st Version) By – Queen Lili’uokalani
  4. Kaulana Na Pua By – Ellen Wright Prendergast
  5. Pau’ahi O Kalani By – Queen Lili’uokalani
  6. Interlude #1 By – George Kahumoku, Jr.
  7. Hawai’i Pono’i By – Henri Berger, King David Kalakaua
  8. Sanoe By – Queen Lili’uokalani
  9. Interlude #2 By – George Kahumoku, Jr.
  10. Apa’a Pa’a Wind Pololu By – George Kahumoku, Jr.
  11. Ku’u Pua I Paoakalani By – Queen Lili’uokalani
  12. Hawai’i Aloha By – James McGranahan, Lorenzo Lyons
  13. Aloha Oe (2nd Version) By – Queen Lili’uokalani
  14. Punalu’u Surf (SE)