50曲に及ぶフラの名曲のハワイ語歌詞に日本語+英語の訳をつけて、それぞれにふさわしいアートなイメージでヴィジュアルをインスパイヤした本。 原文のハワイ語からマヒ・ビーマー氏が英訳、鳥山親雄(とりやまちかお)氏が日本語に訳している。 更に、歌のバックグラウンド・ストーリーはジョー・デマトス氏が解説し、見開きで一曲を解説する作り。
なお、現在は絶版の様子。
著者の鳥山親雄さんは、「ハワイとフラの伝道師」として、ハワイアンショーの司会、雑誌での執筆や著書の出版、ハワイ音楽・ハワイ語の講師など、人生をハワイと共に歩んでいる方のようで、「鳥さん知らずして、ハワイを語るな!」ぐらいの方らしい。フラに疎いわたくしは存じ上げませんでした。すみません!!
でも、個人的に、より驚いたのはあのギタリストの鳥山雄司氏のお父さん!だということ。そうでしたか、、、
「中学生の頃に連れていかれた進駐軍のクラブ。ハワイ音楽やウクレレに初めて触れたのはそのクラブだよ」
と言う鳥山さんは、立教大学在学中に19歳で日本四大ハワイアンバンドの一つ、寺部頼幸とココナッツアイランダーズにギタリストとして参加し、将校クラスが通う高級クラブが演奏の場だったと言いう。
しかし、大学卒業と同時に一般企業へ就職。そんな中でもラジオ関東(現ラジオ日本)開局を機にスタートし、17年の長きに亘って続いたハワイ音楽番組のDJを引き受けるなど、ハワイとの関係を着々と構築。
別会社への転職を機に、その後10年は仕事に専念。しかし、定年を目前に奥様が入院した為、看病のためにきっぱりと退社した鳥山さんに、奥様との永遠の別れが訪れたのは一年後。
失意の中訪れたハワイ。そこで偶然知人に会い、伝説の人気ラジオ番組「ハワイ・コールズ」をツアーで再現する企画に司会として参加しないかと打診されたという。
「そこから僕のハワイ音楽人生は再び始まった。本当に運命的な再会だったね。僕は運がいいんだよ!」
さらには、本作、ハワイに捧げる著書『Musical Images of Hawaii』を、ハワイでのみ出版。
ハワイ語・英語・日本語で書かれた歌詞と、曲のイメージに合わせた美しい写真で構成された本は、ハワイ人が作るべき本を日本人のあなたが作ってくれた! と感謝された事もあったとか。現在は、ハワイ大学の蔵書にもなっている。
鳥山さんにとって、これまでのハワイ、フラ、そしてハワイアン・ミュージックとの膨大な関係性の集大成と言える一冊なのかもしれない。
その他、著書には、「Hulaハワイの風に乗せて」、「Hawaii Mele1001」、「Hawaiian mele +301」、「Hawaiian Mele 400」、「Hawaiian Mele 400」などの音楽関係の多くの著作に加え、「とりさんが教えてくれる〜誰でもわかるハワイ語の本」というハワイ語の教則本も出版している。(この本、持ってたのに著者はノーマークでしたわ、、、)