ブラザー・ノーランドは「ジャワイアン・ミュージックの父」として知られるベテラン・ミュージシャン。
1983年にジャワイアン・リズムの「ココナッツ・ガール」の大ヒットを飛ばし、ハワイ全土にあのビートを浸透させていった張本人。
オアフ島のカリヒ・パラマで生まれ育ったブラザー・ノーランドは、本名ノーランド・カレオリコラニ・コンジュゲイション。弟はクムフラのトニー・コンジュゲイションで、母もまたフラ・ダンサーだったという一家だった為、幼い頃から音楽に親しみ、10代にして市内のクラブなどで演奏を始めたという。
彼はベスト・レゲエ・アルバムを含む数々のナ・ホク・ハノハノ・アウォーズを獲得しており、彼の音楽はいくつかの映画のサウンドトラックにも使用されている。
また、彼は各地のスラック・キー・ギターフェスティバルにも定期的に出演している。
ノーランドはまた、著述家であり慈善家としての側面も持っている。 1999年には、ハワイに伝わる感動的なショートストーリーを集めた「レッスン・オヴ・アロハ」を発表し、2013年には、自身がハワイの森と海で過ごして培ったアウトドアスキルを共有するため「ハワイアン・サバイバル・ハンドブック」を発行している。
また、彼は慈善活動「ホエア・イニシアチブ」を通じて、リスクのある若者が選択肢を選べるよう支援し、アイナ(土地)と海の暮らし方を子供たちに教え、コミュニティと質の高いつながりを築くためのサポートもしている。
彼は主にモロカイ島で、ハワイの習慣、土着の植物や動物の種を守りながら、キャンプを運営しており、ハワイ文化を子供達に伝える活動もおこなっている。
彼は2014年にハワイ州から「ライフタイム・アーチーヴメント・イン・ハワイ」賞を受賞し、2019年にはHARA(ハワイ・アカデミー・オヴ・レコーディング・アーツ)から「ライフタイム・アーチーヴメント・アウォード」を受賞している。
ブラザー・ノーランドは、作家、歌手、アーティスト、詩人、慈善家、メンター、ミュージシャン、家族の男であり続ける。
そんな彼の音楽活動の「序盤戦」をまとめたのがこのアルバム。
当然のように「ココナッツ・ガール」からスタートを切るこのアルバムだが、聞きすすめると「ジャワイアン」のみにはカテゴライズされない彼の音楽のキャパシティーの幅広さを実感させられる1枚