フナ- 古代ハワイの神秘の教え (2005, ダイヤモンド社)

この本の帯に「フナを学べば、幸せと成功を手に入れて人生を変えることができる!!」とあるのだが、こういう風に切り出されると、巷にあふれるスピリチュアル系の怪しい本かと深読みする人もいるかも知れない。

フナとは、マックス・フリーダム・ロングというハワイ文化の研究家が、ハワイの文化の下に脈々と流れる精神的な考え方を、ハワイ語を丹念に分析し、言葉の持つ意味、そしてそこに隠された別の意味を探ることによって丁寧に再構築した考え方とそれに与えた名称だそうな。
その神秘的な教えは、ハワイに伝わる古代の知恵や文化から生まれ、これまで、カフナと呼ばれるシャーマンにのみ継承を許されてきたものからも取り出された。フナはものごとの本質を見通す力を与えてくれる奥深い教えとも。この考え方をさらに掘り下げて、オーガナイズしたのがこの本の著者シャーロット・バーニーさん。

フナとは「この世に存在する強い力」で、争いの解決法、否定的な感情の取りのぞきかたなどを教え、これらを学ぶことで、自分の思いどおりにエネルギーをつかうことができるようになるという。
フナは、ハワイで大切にされる「マナ」を本質を理解し、「癒やしの処方箋」ともいわれるホオ・ポノポノなどの基になる、更に根本的な考え方と説く。

この考え方を100%支持するかどうかは別にしても、この本を通じてハワイの人々が持ち続ける独自の精神性や伝統を改めて理解し、自分に役立ちそうな発想、メンタルケアを必要に応じてピックアップし、実行することの一助になるのではないかと思う。

ロミロミ・マッサージも「癒やし」という意味では「フナ」の一部ということになる。