クムリポとは、「(生命の)起源」を意味するハワイ語。
クムリポと題され、18世紀の初頭に編纂されたとされるこの一大叙事詩は、そもそも、ハワイ王家門外不出のハワイ創世記。
混沌とした暗黒の世界に生まれた宇宙の起源から、大地や海、生物の発生、神々の誕生から歴代の王の系譜に至るまでが16パート2102行にわたる散文形式で綴られ、王家に代々口承(チャント)のみで語り継がれてきたという。
キャプテン・クックの来航以来、歯止めの効かない西洋文明化に危機感を覚えたハワイ王国第7代、カラカウア王がハワイ文化の復興への尽力の一環として1889年にハワイ語で公表。
彼の後に王位を継承した妹、リリウオカラニ女王が、ハワイ王国転覆の革命勢力によりイオラニ宮殿に幽閉されている間に英訳して、1897年に発表し世界的に有名になった。
環太平洋地域の共通する価値観からなのか、日本の神話(古事記など)ともよく似たエピソードが語り継がれている。神々が交わって島が生まれた、、、。神々の子孫が王族(日本では皇族)。森羅万象に霊が宿る。
ハワイと日本の根底に流れる共通した精神性を感じさせる一冊。
単なる表紙違いっぽい